“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
それでもA代表に必要な杉岡大暉。
湘南で磨かれる驚異の攻撃力とは。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2018/11/10 08:00
その頑強な身体とテクニックで、恐るべき推進力を誇る杉岡大暉のドリブル。
「自分でもまだ新しい試みなので」
その場しのぎの判断ではなく、明らかに自らが考え選択をしたプレーだからこそ、プレー後のアクションも表情も自信に満ちている。
「今の自信の要因は、選択肢を沢山持てていることにあります。その中で『仕掛ける』という選択ができているので、そこは思い切ってできていると思います。
あのアーリートライも、『早く上げよう』という意識よりは、自分のプレーの選択肢を増すための手段でした。やっぱりどの相手とやっても、僕の縦のコースを切られることが多いので、アーリークロスを見せておけば、相手ももっと距離を詰めて来るので、縦が空いてきます。
ただ、これは自分の中でもまだ新しい試みなので、そこはチームメイトに浸透しきっていないので。なので、今後はもっと練習からそれ(アーリークロスを上げること)をみんなに伝えて、同時にその精度をどんどん磨いていきたいと思っています」
いつA代表に呼ばれるか?
11月7日、キリンチャレンジカップに臨む日本代表と、UAEで開催されるドバイカップに出場するU-21日本代表のメンバー発表が行われた。
A代表の方に杉岡の名が刻まれるのではないかと、大きな期待が集まったが、彼の名前はU-21日本代表の方にあった。
「正直、まあそんな大した選手ではないと思っていますし、期待をしてくれるのは嬉しいですが、もっと他に良い選手が湘南にもいます。まだ選ばれた訳でもないし、この先も選ばれるかも分からない。まあ、ちょっとは(期待は)ありますけど。気にしないでやるしかないと思っています」
これは清水戦後に「日本代表選出の可能性もあるが」という質問に対する杉岡の答えだ。
謙虚さは変わらないが、自身の成長に対する確信があるからこそ、心の何処かでA代表入りへの手応えがある……そんな表情をしていた。今回は選ばれなかったが、4年後のカタールW杯出場に向けて、良いスタートを切っていることは間違いない。