話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
堂安律「うまかったでしょ!」
日本人離れしたシュートの秘密。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTakuya Sugiyama
posted2018/10/19 11:00
一瞬で日本代表のエースに名乗りをあげた堂安律。刺激的な発言も含めて、観る者を楽しませてくれる選手だ。
細かく振って、強いシュート。
パナマ戦の後、堂安は「次ですね。必ずチャンスが来ると思うんで、ウルグアイ戦で点を取れればと思います」と気持ちを切り替え、ウルグアイ戦でのゴールを自ら期待していた。
その言葉を実現し、初ゴールを奪った。
「実は今シーズン、ゴールに向かう時になかなかファーストタッチが決まらなかったんです。でも今日のゴールはそれが決まったし、ちょっと足元に入ったけど、逆にそれがよかった。最近は、思い切りバーンって感じで打つシュートが少なくて、細かく振っているんですよ。今日のゴールもそうやし、足元に入った方が強いシュートが打てるんです。ただ、拓実君の2点目の前に打ったシュートは振り抜いていないけど、思い切りが良くていい感じやったと思います」
なんとなく、自分のいい時の感じがつかめ始めてきた様子がうかがえる。
堂安「ほんまこれからです」
記念すべき日本代表初ゴールは、悩みから抜け出すキッカケになるのだろうか。
「埼玉スタジアムで相手がウルグアイですし、決勝点にならなかったですけど、こうして点が取れて一生思い出に残るゴールになりました。(ゴールは)自信になりましたし、次の試合に思い切って臨めるかなって思います」
しかし、堂安の表情に笑みはない。
「ほんまこれからです。(初ゴールは)うれしいですけど、喜んでばかりいられない。もっと練習するのみ。こういう時こそ謙虚に努力していかなあかんと思います」
ゴールを挙げても浮かれることはない。今後はアウェイでも同じようにプレーし、結果を出すことが求められる。基準はいつも世界レベル、非常に高い。
これからチームに戻って多くのゴールを決め、勝利に貢献し、悩みを完全にブレイクスルーすることができれば、もうワンランク成長し、さらに恐い選手になっていくだろう。
伸び代は無限大、末恐ろしい20歳である。