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ロナウドを抑えて得点ランク首位。
セリエAの“新・殺し屋”ピアテク。
text by
手嶋真彦Masahiko Tejima
photograph byGetty Images
posted2018/10/10 16:30
カルチョの国で得点を奪うのは今も昔も至難の業だ。そこでピアテクはゴールハントの術を磨いている。
国内外の強豪が関心を寄せる。
それがコッパ・イタリアを含めた8試合ですでに13ゴールを量産している現在は、KP9とも称されるようになった。C・ロナウドのCR7をもじったKP9(Krzysztof Piatek/背番号9番)に関心を寄せるビッグクラブは、メディアで取り沙汰されただけでも国内のユベントス、インテル、ナポリ、ローマから、国外のマンチェスター・ユナイテッド、リバプール、チェルシー、さらにはバルセロナに至るまで片手に余る。
高騰する市場価格は、すでに4000万ユーロ(約52億円)超とも見積もられる。ジェノアが今夏の獲得に要した移籍金は推定450万~500万ユーロ(約6億円前後)であり、ほんの数カ月で大きく跳ね上がった計算だ。ちなみにKP9の推定年俸は45万ユーロ(約5850万円)。CR7の3000万ユーロ(約39億円)と比べると、わずか67分の1でしかない。
移籍金のクラブ記録が2500万ユーロ('09年夏のディエゴ・ミリート。インテルへ移籍)のジェノアにとっては、歴史的な“オークション”も期待できる。ただし、今冬(2019年1月)の放出には慎重にならざるをえない。
ゼネラルディレクターのジョルジョ・ペリネッティが示唆している通り、KP9の早期売却にはティフォゼリア(熱心なファンのグループ)からの強い反発が予想されるからだ。
レバンドフスキから学んだこと。
何かと比較されるのは同じポーランド人で、同じストライカーのロベルト・レバンドフスキ(バイエルン)だろう。前所属クラブのクラコビアでピアテクを指導したミハル・プロビエルツは、こう語る。
「私は知っている。ピアテクはレバンドフスキから(間接的に)多くを学んできた。とてもよく似ているのは、ペナルティエリア内での振る舞い方だ」
現在もクラコビアを率いるプロビエルツは、こう付け加える。
「週末になると私は欧州各国リーグをチェックしているが、ピアテクほどボールをコント
ロールできて、右足も左足も使えて、ヘディングでもタレントを示せるアタッカーはそういない。将来的にはレバンドフスキのレベルにも到達するだろう。世界のトップレベルに、だ」
2018年9月11日のアイルランド戦(強化試合)でポーランド代表デビューを果たしたピアテク自身は、「レバンドフスキは大好きだけど、より似ているのはハリー・ケインだ」と、普段はトッテナムでプレーするイングランド代表FWで、ロシアW杯得点王の名前を挙げている。