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メッシも監督もいないけれど――。
失意のアルゼンチン代表が再出発。
text by
藤坂ガルシア千鶴Chizuru de Garcia
photograph byUniphoto press
posted2018/10/01 07:00
アルゼンチンの未来を背負うべきディバラ。ロシアW杯ではメッシと共存できなかったが、そろそろ本領を発揮したいところだ。
シメオネの息子らを抜擢。
指導者としてのスカローニの力量に関しては未知数な部分が多く、国内でも賛否両論あるが、「現状でできる限りのことを建設的に進めている」というのが、主要メディアの代表番記者たちによる評価だ。
グアテマラ戦で11人もの選手を代表デビューさせたことが話題を呼んだが、人選は決して手当たり次第に行なったものではなく、ピッチに立った選手たちはいずれも試験的に代表でプレーするだけの実力を持ち、各ラインで戦術的にもフィットしていた。
U-20代表時代に南米選手権で得点王に輝きながら、そこからA代表に招集されていないジョバンニ・シメオネ、ロシアW杯では1度も出場機会に恵まれなかったジョバンニ・ロセェルソ、W杯の予備登録メンバーに選ばれながら最終的に外されたマウロ・イカルディ、ヘルマン・ペッセージャ、レアンドロ・パレデス、そして、昨年のU-20W杯でグループリーグ敗退の屈辱を味わったサンティアゴ・アスカシバル、エセキエル・パラシオスといった、リベンジに燃える若手たちにプレーのチャンスを与えたところに、アルゼンチンから次々と輩出されるタレントを、これ以上無駄にすべきではないというスカローニの意思が明確に表われていた。
それでも人々の関心はメッシ。
そんな中、人々の関心はどうしてもリオネル・メッシに集中してしまう。
W杯後、メッシはアルゼンチン代表からすっかり離れた存在となっていて、来たる10月の親善試合(イラク戦とブラジル戦)にも招集されないことがスカローニ監督代行によって明らかにされている。
だが、メッシのいないアルゼンチン代表などありえない。
話題になりたいがために「アンチ・メッシ」を唱える一握りのジャーナリストを除き、アルゼンチンの人々はメッシの代表復帰を待っている。