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メッシも監督もいないけれど――。
失意のアルゼンチン代表が再出発。
posted2018/10/01 07:00
text by
藤坂ガルシア千鶴Chizuru de Garcia
photograph by
Uniphoto press
アルゼンチン代表は、9月の国際親善試合においてグアテマラ、コロンビアと対戦した。グアテマラ戦が行なわれたのは、ロシアW杯で痛恨の敗退を喫した日からちょうど70日が経過した時だった。この試合では交代も含めて17人がピッチに立ったが、丸々1チームに値する11人が代表デビューを果たした事実は、アルゼンチン代表にとっての「新たな旅立ち」となったことを告げていた。
だがその一方で、チームを取り巻く状況が文字通り「新たな旅立ち」に相応しいものであったかというと、残念ながらそうではない。いまだホルヘ・サンパオリ前監督の後任が正式に決まっていないからだ。
シメオネ、ペップの名が躍ったが。
監督が決まらなければ、代表チーム再建のための具体的な方針も定まらない。
アルゼンチンの場合は、特に過去10年もの間ユース代表部門に継続的、一貫的指導を行なっておらず、ユース代表が衰退の一途を辿る悲惨な状況がある。
その代償は大きく、アテネ(2004)と北京(2008)で連覇を果たした五輪代表チームも、U-20W杯で最多優勝6度(ワールドユース時代を含む)を誇るチームも、ここ最近は結果を残せていない。一刻も早くユースからA代表までを統括した強化プログラムを確立する必要に迫られている。
W杯敗退から1カ月の間に新監督が任命されていれば、9月の親善試合までの期間を十二分に利用して、理想的な第一歩を踏み出すこともできただろう。
ディエゴ・シメオネ、マウリシオ・ポチェッティーノ、マルセロ・ガジャルド、そしてペップ・グアルディオラに至るまで、実に様々な名前が、監督後任候補としてメディアに取り上げられた。
とはいえ、クラブとの契約を破棄してチームを見捨てる真似など、誰もしたくない。