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降格候補、まさかのプレミア上位。
ワトフォードのキャラと癖が凄い! 

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吉江武史

吉江武史Takeshi Yoshie

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photograph byUniphoto Press

posted2018/09/28 17:00

降格候補、まさかのプレミア上位。ワトフォードのキャラと癖が凄い!<Number Web> photograph by Uniphoto Press

序盤戦で好スタートを決めたワトフォードのイレブン。並み居る強豪相手にレスターの再来となるか。

練習遅刻は1分につき100ポンド。

 この2枚看板を軸に、他にもマン・U出身のクレバーなCBクレイグ・キャスカート、目下リーグ最多タイの4アシストを記録しているアグレッシブな左SBホセ・ホレバス、エネルギッシュなボックス・トゥ・ボックスのMFアブドゥライェ・ドゥクレ、ディーニーと相性抜群の俊足FWアンドレ・グレイなど、粒ぞろいのメンツが軒並み好調なのが、今季のワトフォードなのである。

 そんな選手たちを適材適所に配し、チームに規律を植えつけて8月のプレミア月間最優秀監督に輝いたハビ・グラシア監督は、穏やかで物静かな男だ。

 ところが、「笑顔に惑わされるな」とはDFダリル・ヤンマートの証言で、練習に遅刻した者には1分につき100ポンド(約1万5000円)の罰金を課し、プレッシングを90分続けるフィットネスを作るため、選手にはヨガやフィジオセラピー(理学療法)のセッションを義務づけている。

ポゼッション好きだが実利主義。

「グループには規律が必要だ。そして選手が責任を負うことが重要だ。だからいくつかのルールが必要なんだ」とグラシア監督。スペイン人だから「もちろんポゼッションは好き」だが、彼の哲学は徹底した実利主義である。

 教え子を見て、また対戦相手を見て最適と思われるスタイルを採用し、小が大を飲んで勝つために必要な組織力を重視する。その結果、スペイン人が率いるクラブが極めてイングランド的なサッカーで結果を出すという、興味深いパラドックスが生まれている。

 とはいえ、現実的なボスが率いるクラブだからか、選手たちは身の程をわきまえている。

「(昨季の)バーンリーのように7位になれたら素晴らしいが、トップ10でもワトフォードにとっては成功だ。レスターみたいに優勝はできない。再びあれが起こるとは思わないよ。ビッグクラブは強すぎる」とヤンマートは語っている。

 またディーニーも、2015-16シーズン優勝のレスターが序盤戦もすこぶる好調だったが、年末頃から急降下した経緯を覚えている。「勝っているときはイケイケで、次の試合も勝てると思うもの。だから地にしっかり足をつけることは難しいんだ。だが、プレミアリーグはそんなに簡単じゃない。あっという間に2、3試合に負けることもある」と謙虚に語る。

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