Number ExBACK NUMBER
「大事な試合」に勝ち続けて3連覇。
カープは日本一で花道を飾れるか。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byKyodo News
posted2018/09/27 12:40
9月26日、ヤクルトを下してマツダスタジアムで初めての胴上げ。球団史上初の3連覇、通算9度目のリーグ優勝を決めた。
豪雨被害、新井引退……激動の1年。
7月、広島は歴史的な豪雨に見舞われる。7月9日からの3連戦は中止となり、オールスター期間も挟んで広島からしばらく球音が消えた。
16日ぶりにマツダスタジアムでの開催となった巨人との3連戦で、カープは劇的な3連勝を遂げる。1戦目は下水流昂が逆転サヨナラホームラン、2戦目は大瀬良と菅野智之のエース対決で打線が奮起して逆転勝ち、3戦目は最大6点差をひっくり返した。
8月23日のヤクルト戦では、奇しくも1年前の同じ日に負傷して悔しい思いを味わった誠也がサヨナラホームラン。「神ってる」は2年前の流行語だが、まさにカープは神懸かり的に大事な試合をものにしてきた。
そして9月5日、新井貴浩が今季限りでの引退を表明する。カープにとって、新井とともにプレーできる残りの試合はすべて「大事な試合」となった。
「日本一というゴールに向かって戦いは続きます」
カープはゴール目前で苦しみながらも9月26日、マツダスタジアムで3連覇を達成する。
「昨年はここで優勝のチャンスがあったのを逃してしまったので、今年は絶対マツダで優勝を決めるんだと、そういう気持ちで臨みました」
緒方孝市監督は優勝インタビューで、過去2年にできなかった広島での胴上げを強く望んでいたことを明かした。
リーグ3連覇を果たしたカープだが、一昨年は日本シリーズで、昨年はクライマックスシリーズで敗れて1984年以来の日本一にはなれていない。今年こそ3連覇の末に34年ぶりの日本一を達成して、新井の花道を飾れるだろうか。
緒方監督も、優勝インタビューをこのように締めくくった。
「まず、リーグ優勝という目標は達成しました。ただ、日本一というゴールに向かって戦いは続きます」