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「大事な試合」に勝ち続けて3連覇。
カープは日本一で花道を飾れるか。
posted2018/09/27 12:40
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Kyodo News
9月26日の歓喜の優勝から、遡ること5カ月。
快晴のゴールデンウィーク初日のマツダスタジアムは、この日も当然のように満員だった。
いつもと違ったのは、選手たちのユニフォームに喪章が付いていたこと。4月23日に衣笠祥雄さんが亡くなってから、広島で初めて行われた試合。半旗が揚がり、黙祷が捧げられた。
カープは初回に2点を失い、迎えた3回。四球3つで満塁となって、4番・鈴木誠也に打順が回る。誠也は昨季終盤に右足首の負傷で手術を受けた影響で、開幕から休みがちで本塁打はゼロだった。
そんな誠也が高めに浮いたカーブを強振すると、青空に高々と上がった打球は風にも乗ってレフトスタンドの最前列に飛び込む。第1号が、逆転満塁ホームラン。試合後のお立ち台で、誠也は言った。
「今日は衣笠さんの大事な試合だったので、本当に勝ちたかった。思い切ってフルスイングしました」
思えば今季はカープにとって、特に「大事な試合」の多い年だった。
「タナキクマル」が崩れた!
この試合の5回の守備でダイビングキャッチした際、丸佳浩が右足を痛めて途中交代。翌日に登録を抹消され、連続試合出場は700で途切れる。
不動の「タナキクマル」が崩れてしまった試合で、カープに立ち込めた暗雲を振り払ったのは先発の大瀬良大地だった。
「最後まで投げたかったですけど」と言いながら、真っすぐ主体の投球で8回途中2失点で白星。「ゾーンで勝負する」ことをテーマに掲げて、この日から7連勝を挙げて一躍エースの座に上り詰めた。