野球のぼせもんBACK NUMBER
172cmで2mの記録を超えてやる!
福岡の変則左腕・嘉弥真新也の意地。
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKyodo News
posted2018/09/26 11:45
サイドスローの変則左腕という嘉弥真新也。沖縄出身のホークス生え抜き選手である。
球団記録の次はリーグ記録だ!
6月24日の登板から1点も取られていない。
3カ月間も「ゼロ」を継続しているのだ。
ホークスではブライアン・ファルケンボーグが‘11年に樹立。球団記録を更新すれば、その先にはパ・リーグ記録が待っている。'03年の豊田清(ライオンズ)、'14年の比嘉幹貴(バファローズ)が成し遂げた「34」だ。
「ファルケンボーグとは僕が入団した年の1年だけ一緒にやっていたのでブルペンで見ていましたが、エグイ球を投げていました。すごいピッチャーです。僕は打者1人で交代することもあるし、今回のようにランナーを残して降りることもある。比べられない。今日は加治屋のおかげです、ホントに」
森福允彦の影響なのか?
サイドスローの変則左腕だ。
もともとは上手投げだったが、昨年から投げ方を変えている。それまでのプロ入団から5年間は'13年の40試合登板など活躍したシーズンもあったが、基本的には一、二軍を行き来する“エレベーター選手”だった。それが左サイドに転身した昨年、58試合を投げて一気に飛躍を遂げた。
今年は9月24日の登板が61試合目だ。無失点記録を続けていることもあり防御率は0.88。
じつは最後に失点した6月19日のスワローズ戦は失点2を喫するも自責点はなしだった。連続自責点ゼロは42試合まで伸ばしている。
ホークスにはもともと同じタイプの投手がいた。
森福允彦。
その左腕が巨人に移籍して席が空いたタイミングだったためにそれが関係していると思われがちだが、じつはまだ森福が在籍していた'16年の夏頃にフォームを変えることを決めていた。