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石川祐希は全日本に融合できるか。
世界バレー1次L、中垣内監督の意図。 

text by

米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byItaru Chiba

posted2018/09/18 11:30

石川祐希は全日本に融合できるか。世界バレー1次L、中垣内監督の意図。<Number Web> photograph by Itaru Chiba

第4戦のベルギー戦も先発で出場した石川祐希だったが、チームは1-3で敗れた。

膝や腰の怪我に見舞われ続け。

 しかしそれ以降、膝や腰などの怪我に見舞われ続けた。そうした怪我を完治させる時間のないまま、常にどこかに痛みを抱えながら全日本、大学、イタリア・セリエAと試合に出続けた。代わりのいない選手ゆえに、チームは石川を使いたがる。石川自身も「試合に出たい」という欲求を抑えられず、つい無理をしてしまうこともあった。

 昨シーズン所属していたセリエAのラティーナで、こう語っていた。

「動かそうと思えば動かせるんですが、その動いた時に痛みが出たり、動作をする上で常に気にしながらやらなきゃいけないので、それはストレスではあります」

 最後に痛みなくプレーできたのはいつかと聞くと、「2015年のワールドカップですね」とつぶやいた。

 今春、大学を卒業した石川は、プロ選手となった。万が一、大きな怪我をしてプレーできなくなれば、もう帰る場所はない。これまで以上に自分の体に自分で責任を持たなければいけない立場となった。

いったん全日本を離れる決断。

 そこで、怪我の連鎖を断ち切るために、一大決心をした。いったん全日本を離れ、痛みのない状態に体をリセットすることを決断したのだ。全日本の首脳陣に直談判し、意向は認められた。その結果、5~6月に行われたネーションズリーグには参加せず、7月から合流することになった。

 ネーションズリーグでは5週に渡って15カ国と対戦する。日本にとっては海外のトップチームと数多く試合ができる貴重な場である。そこで、石川抜きでチームが固まってしまう可能性もあった。実際、アウトサイドの柳田将洋の対角には今年代表復帰した福澤達哉が入り、18歳のオポジット西田有志も高い得点力を発揮。石川のいない日本はイタリアやイランなど強豪から勝利をもぎとった。

 日本のエースとはいえ、自分のポジションを獲られる、居場所がなくなるといった焦りはないのかと聞くと、石川はこう答えた。

【次ページ】 「体を一番に考えることが必要」

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