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いとこ同士の陸上&サッカー新星。
橋岡優輝と大樹、夢は共に東京五輪。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byAFLO
posted2018/09/16 09:00
来年の世界陸上で入賞すれば「東京五輪のメダルも見えてくる」と話す橋岡優輝。いとこの橋岡大樹は浦和レッズで活躍中だ。
橋岡大樹は浦和でレギュラーに。
橋岡大樹は1999年5月17日、埼玉県旧浦和市生まれの19歳。3学年上の兄・和樹さん(明大4年)の影響で幼い頃からサッカーに親しみ、中学生になると浦和レッズの育成組織に入り、ジュニアユース、ユースを経て今季からプロになった。U-15日本代表時代から各年代別の日本代表でプレーしてきた逸材で、飛び級で上のカテゴリーの代表に選ばれることもあるほどだった。
身長182cm、体重73kgの体格は、橋岡優輝(183cm、76kg)とどこか似ている。共通しているのは折り目正しいさわやかさだ。
プロ1年目の今季は、4月11日のJリーグ第7節ヴィッセル神戸戦から右ウイングバックのポジションを獲得すると、8月末までの18試合中17試合で先発出場し、レギュラーの座を確かなものとしている。
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また、今季も年代別日本代表としても活躍中。現在はU-19日本代表の一員として10月に開幕するAFC U-19選手権を目指している。まだ19歳だが5月にはU-21日本代表にも飛び級で選ばれ、トゥーロン国際大会を経験。23歳以下の選手が出場する'20年東京五輪の候補となっている。
湘南戦の後には涙を流す熱さが。
赤一色に染まることで知られる埼玉スタジアムでは、試合終了の笛が鳴ると同時に、攣りそうになっていた足を伸ばす姿がお馴染みだ。右サイドで精力的にアップダウンを繰り返しては攻守に奮闘する大樹は、今やチームにとって欠かせない存在なのだ。
そんな彼の特徴のひとつであるのが“気持ちの熱さ”。幼い頃から浦和レッズのサポーターでもあった大樹は、リーグデビューから5戦目の第11節湘南ベルマーレ戦で初めての途中交代となり、チームも0-1で敗戦すると、思わず涙を流してしまった。まだ成長段階にある攻撃面でミスを犯したことも悔しかったようだ。
しかし、試合後はすでに切り替えていた。
「自分のプレーが思うようにいかないときこそ、自分を見つめ直す必要があると思う。ただ、一喜一憂してはいけないし、ここで挫けてはいけない。ここから取り戻していかなければいけない」
つねに前を向いて突き進む姿を見せるのがプロサッカー選手としての本分であることを、一度の落涙で悟っていた。