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いとこ同士の陸上&サッカー新星。
橋岡優輝と大樹、夢は共に東京五輪。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byAFLO
posted2018/09/16 09:00
来年の世界陸上で入賞すれば「東京五輪のメダルも見えてくる」と話す橋岡優輝。いとこの橋岡大樹は浦和レッズで活躍中だ。
肌で感じたシニア勢の実力。
「いつも僕が重要としている最初の出だしの3歩がうまく乗らなかった。(予選1位で)欲が出たわけではないけど、空回りした感じ。思い通りに助走が出来ず、距離が合わなかった」
それでも、最後に修正を効かせたのは成長の証だろう。5本目で助走の修正を施すと、最後の6本目にはしっかりと8m05(+0.0)に乗せた。
「5本目から助走の位置を15センチ下げて、6本目は及第点に入るかなという跳躍はできた」
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3位と4センチ差の4位には「悔しさしかない」と言ったが、ホッとしたような表情も浮かんでいた。
アジア大会では、シニアの実力を肌で感じ取ることもできた。ワンツーフィニッシュとなった中国選手は、予選では平凡だったが、決勝では2選手とも1本目から8mを超えてきた。
「シニアでは決勝になるとこれだけ跳んでくるんだと、そういう部分もすごいなと思い、『これだけレベルの高い試合で自分も跳べたらいいな』と高揚感に包まれた。それも少しは助走に影響したかもしれない」
「一発くればすぐに日本記録」
現在の自己ベストは今年6月の日本選手権で出した8m09(+1.2)。次の目標は日大で指導を受けている森長正樹コーチが日大3年だった'92年に出した8m25の日本記録更新だ。
「アジア大会ではシニアのレベルの高さを感じる一方で、自分の力がどれだけなのかを知ることもできて、戦えると感じた。8m台のアベレージを重ねて、その中で良い感覚を得られていけば、一発くればすぐに日本記録を達成できると思う」
焦ることなく、気負うことなく、自分を信じて記録更新に挑むメンタルが整ったことも大きな収穫だろう。
母の(旧姓・笹川)深雪さんはかつて陸上の短距離選手だった。父の和正さんは橋岡利行さんの兄。大宮東高校野球部時代にはドラフト候補にも名が挙がっていたという。