Sports Graphic Number MoreBACK NUMBER

「このまま終わったら…一生言われる」箱根駅伝で“山の神”に「抜かれた」ランナーたちは何を感じた?「キツいとか、しんどいとかはなくて…」

posted2026/01/18 06:01

 
「このまま終わったら…一生言われる」箱根駅伝で“山の神”に「抜かれた」ランナーたちは何を感じた?「キツいとか、しんどいとかはなくて…」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

2009年の箱根駅伝の5区で東洋大1年生だった柏原竜二に逆転された早大4年の三輪真之。果たして間近で「神」を見た胸の内は…?

text by

生島淳

生島淳Jun Ikushima

PROFILE

photograph by

JIJI PRESS

 青学大の9回目となる総合優勝で幕を閉じた102回目の箱根駅伝。“シン・山の神”となった黒田朝日の激走が記憶に新しいが、これまで箱根山中で“神”と対峙したランナーたちは、一体その目に何を見たのだろうか? 本人たちの証言で振り返る「山の神」の肖像とは。《全2回の1回目/つづきを読む》(初出:Number 1087・1088号/2023年12月21日発売 肩書などはすべて当時)

 2009年、箱根駅伝5区。先頭を走る早稲田大学の三輪真之は、箱根山の最高点を過ぎ、いったん下りに入ったあたりで周囲の異変を感じていた。

 沿道のファンのボルテージが上がってきたのだ。みんな、「柏原!」「カッシー!」と叫んでいる。

5分近くあった差が…まさかの展開

 まさか。東洋大とは小田原中継所で5分近くの差があったじゃないか。それでも、追いついてきたのか? すると、運営管理車に乗る監督の渡辺康幸の声も緊迫の度合いを増していた。

ADVERTISEMENT

「来てる! 来てる! 柏原が来てるぞ!」

 来てるといわれても、どうしようもない。思ったように体が動かないのだ。走り始めて5kmほどの箱根湯本で暑さを感じたため、アームウォーマーを脱ぎ捨てていた。ところが上りが本格化したあと、寒気が三輪を侵食し、体が冷え始めていた。思うように腕が振れず体が動かない。下りが終わって、もう一度上り坂にかかる。すると――。

「自分の横に、ふわーっと人が現れました」

【次ページ】 「しんどいとか、そういう気持ちはなくなって…」

1 2 NEXT
#柏原竜二
#東洋大学
#三輪真之
#渡辺康幸
#早稲田大学
#大石港与
#中央大学
#早川翼
#東海大学
#本田圭佑

陸上の前後の記事

ページトップ