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神戸製鋼はカーターだけじゃない。
司令塔パーカーが魅せる黄金の左足。
posted2018/09/04 17:00
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph by
Getty Images
愛知でリーグ史上初の観客3万人超えを記録するなど、例年以上の盛り上がりを見せる日本ラグビー最高峰のトップリーグ。8月31日、神戸では、神戸製鋼コベルコスティーラーズに新加入した“黄金の左足”がお目見えした。
ニュージーランド代表“オールブラックス”のレジェンド司令塔、ダン・カーターのことではない。W杯4大会に出場した世界的スターはこの日、神戸製鋼サイドで「WATER」のビブスをつけていた。
ピッチで背番号10を背負っていたのは、ヘイデン・パーカー。
スーパーラグビー参戦3年目の日本チーム・サンウルブズで司令塔を務め、超人的なゴールキック成功率を披露した27歳だ。8月31日、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で行われたNTTコミュニケーションズ戦で、パーカーはキック成功率100%。6本あったプレースキックをすべて決め、34-27の勝利に貢献した。
「今日はプレースキックだけではなく、相手と競るためのコンテストキックも上手くいきました」(パーカー)
神戸製鋼の新たな総監督であるウェイン・スミスは試合後、開幕戦勝利に貢献したパーカーについて「本当に良いゲームメイクをしてくれた」と評した。
カーターはいつでもリスペクトの対象。
自信を持って背番号10を争えるだけの実力を持っているが、カーターに話が及ぶと、パーカーは少年時代の憧れが甦ってしまうようだった。
「彼は間違いなく世界一のプレイヤーです。経験値が高く、まだトップレベルでプレーしている。彼からできる限りのことを学びたいです」
ニュージーランド出身のパーカーにとって、オールブラックスで112キャップを重ねたダン・カーターは英雄に違いない。
しかし今年サンウルブズを応援したファンにとっては、パーカーも立派な英雄のひとりだ。