ファイターズ広報、記す。BACK NUMBER
清宮幸太郎昇格とベーブ・ルース。
からくり時計のように精巧な用兵術。
text by
高山通史Michifumi Takayama
photograph byKyodo News
posted2018/08/31 10:30
8月21日のソフトバンク戦で一軍に再昇格してから同28日までに3本塁打を放ち、2試合連続猛打賞を記録するなど活躍の清宮幸太郎。
選手は心の機微を刺激される。
選手個々は、心の機微を刺激される。清宮選手とベーブ・ルース像のようなスピリチュアルな願いも時に、用兵へと込める。上記の例から言えば「藤岡投手を、マリーンズ相手に勝たせよう」などとチームの士気が上がり、全体が奮い立つような手も打つ。
繰り返す。
からくり時計――。北海道日本ハムファイターズの用兵である。
からくり時計は、複雑な構造と機能を持つ。熟練の職人たちは、正確無比に部品を組み立て完成させるという。傑作には、寸分の狂いもないという。
シーズン残り30試合を切り、最終コーナーを回った。ファイターズは大勝負へ向けて仕掛け、細工を施してきた。
人間、選手の成すことには狂いも、乱れもある。時計の針は、止まることもある。からくり時計のようには、いかないことも多々だ。ただ言えることがある。趣深い野球に全身全霊を注ぐチームは、からくり時計とは異なるから、想像以上にかみ合って好転し、突き進むこともある。
裏舞台から今、希望に満ち満ちてカウントダウンをしているのである。