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浅尾からサファテへの返信。酷使か、
美談か。今こそ“投げ過ぎ”を考える。

posted2018/08/30 08:00

 
浅尾からサファテへの返信。酷使か、美談か。今こそ“投げ過ぎ”を考える。<Number Web> photograph by Kyodo News

2011年に79試合、45ホールド、防御率0.41でMVPとなった翌年から右肩の違和感に悩み、登板数が減少。昨季は4試合だった。

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小西斗真

小西斗真Toma Konishi

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 金足農の吉田輝星が甲子園で史上2番目に多い881球、秋田大会を含めると1カ月余りで1517球を投げた。酷使か美談か。現在か将来か。日本の野球界でこれほど真剣に投手の疲労についての議論熱が高まったのは初めてだ。

 吉田のドラマが佳境を迎えつつあった8月16日、ある現役プロ野球選手のツイートが話題を呼んだ。ソフトバンクのデニス・サファテ。昨季、日本記録を大きく更新する54セーブを挙げた日本最強のクローザーである。

 残念ながら4月26日に右股関節唇の修復手術を受け、現在は米国でリハビリ中。今季は登板6試合、1勝5セーブの成績だけを残し、復帰は来季以降となりそうだ。頻繁に更新されるツイートだが、その日の内容は近況報告ではなく、中日の浅尾拓也に関するものだった。

サファテ、バーネットが言及。

 野球記者のジョン・ギブソン氏の「今の浅尾拓也の姿を見ると悲しくなる」というツイートに、サファテはこう反応した。

「あれはドラゴンズが犯した過ちだった。毎日イニングまたぎをやっていた。彼は私が今まで見てきた中でも最も優れた能力をもつ投手だったが、残念だ」。さらにハッシュタグをつけ「俺たちはロボットではない」「自分の肩を守れ」と訴えた。ヤクルトでクローザーとして活躍したトニー・バーネット(レンジャーズ)も「同意」と反応している。

 もちろん原文は英語だが、平易で短い文章だから大意は理解できる。きっかけとなったギブソン氏が「悲しくなる」と書いたのは、浅尾が16日のDeNA戦(ナゴヤドーム)で今季初登板したことを受けてと思われる。1イニングを無失点で切り抜けたが、2安打、1四球で満塁のピンチを招いた。

 浅尾は2日後の巨人戦(東京ドーム)も投げているが、139キロのストレートを岡本和真に本塁打されている。かつては150キロを超すスピードボールと切れ味鋭いパームボール、フォークを駆使し、打者を圧倒した姿を知っているからこそ、ギブソン氏は「悲しくなる」と書き、サファテはそうなった原因に言及せずにはいられなかったのだろう。

【次ページ】 浅尾は落合監督、森コーチに感謝。

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