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日本サッカーにジュニア育成革命を!
ダバディが知るフランス式の真髄。
text by
フローラン・ダバディFlorent Dabadie
photograph byTakuya Sugiyama/JMPA
posted2018/08/23 08:00
ロシアW杯での日本の戦いぶりは人々の心を打った。ただその一方で強豪国はムバッペらさらにスケールの大きい選手を育成しているのも事実だ。
成功した時こそ、困難な構造改革を。
実はFFFも'98年のワールドカップ優勝以後、優勝監督のエメ・ジャケをテクニカルディレクターとした体制が硬直化し、かげりが見えていた育成面の改革が遅れてしまいました。 スペインとドイツがすでにスピードと技術を重視していたなか、フランスは身体能力のあるジュニアだけに集中し、一時期グリーズマンのような逸材を小さすぎるからとカットするなど、間違った道を歩んでいました。これが10年後の南ア大会での大失敗の要因のひとつです。
成功した時こそ、困難な構造改革に手をつけ、新しい実験をする。これはあのペップ・グアルディオラの哲学です。日本を含め多くの国ではもっと単純に、失敗したら問い直す、という傾向ではないでしょうか。
来年はアジアカップ、再来年は東京五輪で森保ジャパンは大忙しですが、2022年以降の日本サッカーの準備ができるのは今しかありません。そしてそこは、オールジャパンにこだわる必要もない。
中国、ベトナム、韓国がより国際化を受け入れている時代だからこそ、日本も育成システムを世界基準に磨き上げるべきでしょう。この機を逃せば、出場枠が増える2026年ワールドカップの出場さえ危ないと思います。