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女子ボクシング界に変革の時が……。
2人の逸材、谷山佳菜子と千本瑞規。
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byKoji Fuse
posted2018/08/17 07:30
写真左が千本瑞規、右が谷山佳菜子。女子ボクシング界をもっとメジャーにしたい! という思いは共通だ。
天性の勝負勘&スピード感。
キックボクサー時代の谷山も関西を拠点に活動していたが、ワタナベジムに入るまで接点はなかった。
千本は、7月26日に一緒にB級のプロテストを受けた前後から会話するようになったと打ち明ける。
「話は普通にするけど、あまりボクシングについての話はしないですね。話題は恋バナとか(微笑)」(千本)
ワタナベジムでは今秋開催の自主興行で谷山と千本を揃ってデビューさせる予定。ジムではマネージャーを務める一方で、谷山の担当トレーナーでもある井上孝志氏はふたりのニューヒロインの魅力について話す。
「谷山には空手やキックをやっていた下地があるので、天性の勝負勘がある。千本の方は軽量級ならではのスピード感がある」
「もっと注目される競技にしたい」
男子の世界タイトルマッチは地上波のゴールデンタイムで放送されるケースも多いが、女子のそれはノーテレビも当たり前。世間的な知名度には雲泥の差がある。
5月に上京してから都内のクリニックで週4日ほど看護師として働く谷山は職場でボクシングをやるために上京してきましたと自己紹介したら、「ボクシングには女子もあるんだ」と驚かれたことを明かす。
「正直、まだそういうレベルにあると思うので、もっと注目される競技にしたい。いまは女子カクブームと言われ、かわいくて強いというのが流行っているけど、中には実力が伴っていない人もいると思う。私は本当に強くて実力のあるチャンピオンを目指したい」