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村田諒太は王者から“最強”へ。
WBA2位を「ノックアウトできる」。

posted2018/08/31 19:15

 
村田諒太は王者から“最強”へ。WBA2位を「ノックアウトできる」。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

ミドル級最強の肩書きは現在、ゴロフキンのものである。村田諒太はその座を虎視眈々と狙っている。

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph by

Kiichi Matsumoto

 強い者に勝った者が強い。

 ボクシングの真理は、極めてシンプルだ。

 WBA世界ミドル級王座を保持する村田諒太は今、ミドル級において「最も強い存在」であるとは言えない。このベルトはさらに強い者と闘うための資格だと、彼は捉えている。ならばその存在は誰か。WBAスーパー王座、WBC王座に君臨する38勝34KO1分けのゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)であることは言うまでもない。

 最強の人が一気に手に届くのか、それとも一気に遠ざかるのか。

 その分水嶺となる2度目の防衛戦がついに決まった。WBA2位ロブ・ブラント(アメリカ)との指名試合が、10月20日ラスベガスのパークシアターで開催される。

 発表会見に出席した帝拳プロモーションの浜田剛史代表が試合の意味合いについて、こう強調した。

「ミドル級は、ただ勝てばいいというクラスではありません。今回アメリカで試合をするにあたって村田が本当に強いのかどうか、見せなければなりません。(その意味で)対戦相手も強くなければならない。アメリカのファンに、次に村田の試合が見たいと(思わせる試合が)できるかどうか」

相手の特徴は「速い」こと。

 27歳のブラントはビッグネームではないとはいえ、WBAの上位ランクをキープしてきた実力者であることは間違いない。

 アマで102勝22敗のキャリアを誇る右ボクサーファイターで、2015年にWBC米大陸ミドル級王座、翌年にWBA北米ミドル級王座を獲得。昨年、スーパーミドル級のWBSS(ワールドボクシングスーパーシリーズ)に出場し、初戦でユルゲン・ブレーマー(ドイツ)に0-3判定負けしている。この敗戦によってミドル級に戻り、今年3月の再起戦で初回KO勝ちを収めたばかり。現在まで23勝16KO1敗のキャリアだ。

 浜田代表は「一番の特徴は“速い”ということ」と印象を口にする。決してかみ合いそうな相手とは言えないが、強引にでもかみ合うように持ち込んでKO勝ちを収めることが村田には求められる。

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