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女子ボクシング界に変革の時が……。
2人の逸材、谷山佳菜子と千本瑞規。
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byKoji Fuse
posted2018/08/17 07:30
写真左が千本瑞規、右が谷山佳菜子。女子ボクシング界をもっとメジャーにしたい! という思いは共通だ。
憧れの女子ボクサーは藤岡奈穂子。
空手とキックのトレーニングでフィジカルの強さには自信を持っていた谷山も、それだけではやっていけないと感じている。
「ボクシングは2本の腕だけで闘うので、ジャブひとつとってみてもたくさんの種類があるのに加え、細かい駆け引きがある」
憧れの女子ボクサーを訊くと、男女通じて日本人選手初の世界5階級制覇を成し遂げた藤岡奈穂子の名を挙げた。
「キックボクサー時代もパンチの欠点を修正しようと思った時、藤岡さんのところに通って一緒に練習させてもらいました。熱があるうえに本当に一生懸命教えてくれる。世界王者はこうあるべきというオーラが藤岡さんからは滲み出ている」
アマとプロとは何が違う?
一方、千本はアマチュアボクシング出身で、'15年の全日本女子選手権で2位、'16年の同大会で3位の実績を持つ。
中学生の時からやっていたというので、ボクシングのキャリアは長い。プロデビューを控え、現在はアマチュアとプロの違いを痛感する。
「プロは打ち込むという感じだけど、アマチュアはスピードで当たる。アマチュアだと頭の位置が低いと反則になっていたけど、プロでは普通に頭の位置が低い。その対応力はスパーリングを重ねないと養えない。早く順応したいですね」
プロ転向に伴い、活動の拠点を生まれ育った大阪から東京へと移した。その理由は?
「ワタナベジムだったら、在籍している女子の選手が多いし、女子の試合をたくさん組んでくれるので。実際入門してみたら同性との対人練習が多くできるので、このジムを選んで良かったと思います」