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女子ボクシング界に変革の時が……。
2人の逸材、谷山佳菜子と千本瑞規。
posted2018/08/17 07:30
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph by
Koji Fuse
女子ボクシングに世代交代の波が押し寄せている。
日本の女子選手初の統一世界王者である小関桃、国内最年長(48歳)世界王者だった池山直、元祖アイドルボクサーで世界王者にもなった好川菜々(現・野上奈々)が相次いで引退し、彼女たちに代わるニューヒロイン誕生が待たれるようになったのだ。
そんな世間のニーズに応えるべく、もうすぐふたりの女子ボクサーがプロデビューを果たす。
内山高志ら世界王者をあまた輩出する、ワタナベボクシングジム所属の谷山佳菜子と千本瑞規(ちもと・みずき)だ。
半月板損傷等でキックを断念。
谷山は極真空手の元世界王者。
2010年にはキックボクシングに転向し、3本のチャンピオンベルトを腰に巻いた。ボクシングに転向したのは、一昨年秋の練習中に半月板損傷などの大ケガを負い、3回も手術を受けたことがきっかけだった。
「1年半以上続けたリハビリ中もパンチの練習ならできると思い、パンチの練習だけはやっていました」
昨年12月には担当医から「キックボクサーとしての復帰はちょっと難しい」と宣告され、このまま引退かと落ち込んだ。
「でも、このままでは終われないと思った時に以前から交流のあった女子ボクサーを見て、自分もボクシングの道に飛びこんでみようと決心しました」
ボクシングとキックボクシングは似て非なる競技。
どちらもパンチの攻撃が認められているが、前者はそれしか認められていないがゆえにそのテクニックは細かく繊細だ。