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重信慎之介、3年目の開花は
巨人の“組織的肉体改造”から。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKyodo News
posted2018/08/03 16:30
7月31日のDeNA戦の8回、貴重なタイムリー安打を放った重信慎之介。
楽天ではすでに成功事例が。
管理栄養学による選手の食事管理は、数年前からすでに楽天など数球団が導入。楽天ではモデル選手として島内宏明外野手などが取り組み筋肉量の目安となる除脂肪体重を大幅にアップ。一昨年のドラフト1位・オコエ瑠偉外野手も、入団1年で大きく肉体改造に成功するなどの成果を見せていた。
巨人では今年からジャイアンツ寮やジャイアンツ球場などの二軍施設だけでなく、一軍も遠征先の食事はもちろん東京ドームでの試合前後の食事メニューなどもタンパク質の摂取量を多くした内容に全面的に改革。
試合終了後には疲労回復を助けるミネラルやビタミンを豊富に含んだ内容の食事を用意し、寮生や1人暮らしの若手選手ばかりか、単身赴任中の上原浩治投手らも、球場で食事を済ませて帰宅するようになっている。
目指すは「身体を大きくすること」。
この食生活の改善と計画的なトレーニングメニューで狙っているのは、簡単に言えば身体を大きくすることだ。
しかも脂肪ではなくバットを振ったり体幹を支える筋肉量を増やすための食事とトレーニングメニューが中心になるわけだ。
ただ、入団時のサイズが173センチ、70キロと一般人並み、野球選手としては痩せ型だった重信が意識的に行ったのは、とにかくまず体重を増やすことだったのだという。
「そのために無理して丼でご飯を3杯食べています。最初の頃は3杯目がなかなか食べられなかったんですけど、最後に卵かけご飯にして流し込むと意外と食べられることがわかったんで、しっかり食べきっています」
その成果が6キロ増えた体重だったのだ。
その上で並行して筋トレを徹底して行った結果、全体で6キロ増量のうち、除脂肪体重の増加量が4キロとしっかり筋肉質の身体にモデルチェンジは進行している。
その成果がグラウンドでも出始めているということなのである。