ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
オリックスからDeNA移籍の伊藤光。
“生涯一捕手”のこだわりは続く。
posted2018/08/05 09:00
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Kyodo News
必要とされること、求められること――。
横浜DeNAベイスターズに加入した伊藤光は、野球人としての喜びを享受し、新天地で日々声を出し、汗を流している。
「絶対にやってやる、という気持ちになっています。不慣れな環境、わからない状況だからこそ、初めが肝心。移籍してきて、きっと周りは“どんな選手で、どんな性格なんだろう?”といった目線で見ているなと思ったし、そこは緊張もしたんです。けど、今はすっかり溶け込めています。若い選手が多いなか、年上の人間になるので、しっかりとやっている姿で証明するのが大事かなって」
プロ11年目の伊藤は、凛とした表情でそう語った。
誰もが驚かされた伊藤のDeNAへの加入。オリックス・バファローズ時代は、ベストナインやゴールデングラブ賞を獲得し、さらに侍ジャパンにも選出されたこともある、いわば球界を代表するようなキャッチャーである。今季、捕手陣が振るわず固定することのできなかったDeNAからすれば、これ以上ない戦力補強となった。
「間違っても二軍レベルではない」
DeNAの光山英和バッテリーコーチは、伊藤を次のように評する。
「欠点のない選手ですね。プロ生活も長いので、どんな状況であっても周りを冷静に見ることができる。リードはもちろん、スローイングのコントロールもよく安定した送球ができる。またワンバウンドを止めるのも上手い。バッティングも過去の実績があるので、心配はしていない」
そして次のように続け、首をひねった。
「間違っても二軍レベルのキャッチャーではない。どうして二軍にいたのか不思議でしょうがない」