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重信慎之介、3年目の開花は
巨人の“組織的肉体改造”から。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byKyodo News

posted2018/08/03 16:30

重信慎之介、3年目の開花は巨人の“組織的肉体改造”から。<Number Web> photograph by Kyodo News

7月31日のDeNA戦の8回、貴重なタイムリー安打を放った重信慎之介。

「体幹が強くなったという実感」

「とにかく軸がしっかりして、インパクトが強くなったのが、重信のバッティングの一番変わったところ」

 こう評したのは吉村禎章打撃総合コーチだ。

「体幹が強くなったという実感はあるので、それが軸の強さにつながっているのではないかと思います」

 本人も手応えを口にする。

 重信のようなタイプの選手が筋肉量を増やして体重を重くすると、しなやかさを失い肝心のスピードが落ちてマイナスが出るのではないかという指摘もある。しかし、重信の場合はそういう弊害もなくスピードを維持しながらのパワーアップに成功した。チームとして取り組んでいるパフォーマンス向上の好例となりそうだ。

高橋監督も喜ぶ若い1、2番の活躍。

「パワーをつけたからスピードが失われるということはない」

 改めてこう指摘するのは鹿取GMだ。

「それ以上に筋肉量が増えることでいろんなパフォーマンスの向上が期待できる。軸がしっかりしてインパクトが強くなることで打球速度が速くなるというデータもある。そこも狙いの1つで、もちろん本人の努力が一番。ただ、彼の活躍はチームとして取り組んでいることの1つの成果と言えるかもしれない」

 このDeNA戦では2番の吉川も3ランを含む3安打の猛打賞と若い1、2番コンビで6安打6打点の大活躍。

「若い2人で今日みたいな持ち味を出したというか、そういった活躍、結果を残してくれて本当にチームとして嬉しいね。(重信は)ここのところどちら(の方向)にもしっかりコンタクトできているというかね。状態がいいのかなという感じはある」

 試合後の高橋由伸監督はこう目を細めた。

【次ページ】 攻撃的「2番」が巨人の切り札に!?

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