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オカダ・カズチカは壊れてしまった!?
G1クライマックス「笑顔」の大苦戦。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2018/07/25 11:00
「レインメーカー(大金を稼ぐ男)」というより、ちょっとプアな出で立ちになっている最近のオカダ・カズチカ。
オカダは「やっと2勝目」でいいのか?
4戦目となった八王子のエスフォルタアリーナでの真壁刀義との対戦でも、さらなる苦戦を強いられた。
逆転の低空ドロップキックの勢いだけは客席から驚嘆の声が上がったが、試合運びは本来のオカダらしいものではなかった。
最後はレインメーカー2発に頼って「やっと2勝目」。
オカダは公式戦4試合を戦って2勝2敗。とは言えオカダは、あと5試合の公式戦を残している。
「1+1=?」の笑顔に隠された心。
「最初の2敗は痛いけれど、あきらめない。残りをしっかり勝っていくしかないね。G1優勝を、あきらめたわけじゃない。
ベルト、どうでもいいわけじゃない。
ケニー、どうでもいいわけじゃない。
待たせたお客さんに楽しんでもらえるように頑張りますよ。こうやって自分も楽しみながら。
オカダ、頭おかしくなって終わりだ、って言われたくないからね。風船持って遊んでいるだけ? しっかり楽しんで、楽しんで、最後にいただくよ。勝って、優勝しますよ。1+1=?」
オカダはそう言って無理やりの笑顔にこだわって見せる。
オカダはようやく勝てたことで「ずっとはまらなかったピースがやっとはまった」と表現したが、私はそうは思わない。パズルの不適切な場所に無理やり押し込まれてしまったそのピースが、本来の正しい行き場所をオカダに強く訴えているように思えてならないからだ。