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若きフランスの勢いが止まらない!
ウルグアイを破り頂点まであと2つ。
posted2018/07/07 13:20
text by
原山裕平Yuhei Harayama
photograph by
Getty Images
ウルグアイのDFヒメネスは、溢れる涙を抑えきれなかった。
2点のビハインドを負い、思うようにならない展開に、焦りと苛立ちが入り混じる。残り時間が少ないなか、巧みにボールを運ぶフランスからボールを奪い取り、攻撃へとつなげなければいけない。
しかし、その想いは実を結ばなかった。果敢に仕掛けてくるポグバをエリア手前で倒した時、ヒメネスは絶望を感じ、間もなく訪れる敗北の瞬間を受け入れたのかもしれなかった。
アルゼンチンを撃破したフランスと、ポルトガルを打ち破ったウルグアイ。メッシとC・ロナウドの直接対決を期待していた人にとっては忌々しい国と言えるかもしれないが、ここまでの勝ち上がりは憎々しいほど盤石だった。
ともにグループリーグを首位で突破し、ラウンド16では強豪国を撃破。フランスは19歳の怪童ムバッペが躍動し、ウルグアイはカバーニの2発でポルトガルを沈めている。
ただし、そのカバーニが試合途中に負傷し、フランスとの一戦には出場できなかった。結果的にこのストライカー不在が、ウルグアイにとっては痛かった。
ウルグアイのハイプレスが機能した序盤戦。
それでも、序盤はウルグアイの勢いがフランスを上回っていた。ハイプレスを仕掛けて相手の自由を奪うと、積極的にサイドを突いて、フランスを自陣へと追いやった。ボールを奪われても素早い帰陣でスペースを与えない。ここまで4試合でわずか1失点の堅守は、この日も健在だった。
一方、アルゼンチン戦のような勢いを感じられなかったフランスは、時折ムバッペのスピードで局面を打開する場面も生まれたが、決定機を作り出せない。グリーズマンが自在なポジショニングを取り、スペースを空ける動きを繰り返すも、ウルグアイの守備網を揺さぶるまでには至らなかった。