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オジュウチョウサンと武豊の大挑戦。
史上初、障害と平地の両GI制覇を。
posted2018/07/06 07:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
AFLO
障害界の絶対王者オジュウチョウサン(牡7歳、父ステイゴールド、美浦・和田正一郎厩舎)が、今週末、武豊を鞍上に迎え、4年8カ月ぶりに平地のレースに出走する。
実に1694日ぶりの平地での実戦となるそのレースは、7月7日(土)の福島第9レースの開成山特別(芝2600m、3歳以上500万円下)。
長山尚義オーナー(名義は株式会社チョウサン)の意向により、平地での可能性を探ることになった。見据えているのは有馬記念などのビッグレースだ。
障害では5億3307万円の賞金を稼いでいるが、平地では未勝利で、収得賞金(獲得賞金とは異なり、クラス分けや出走順位決定の基準となる。勝つか、重賞で2着以内に入ると加算される)はゼロなので、規定により平地の重賞に出ることはできない。
しかし、ここを勝って収得賞金を得れば、登録頭数がフルゲートに満たない場合などは出走が可能になる。
福島のレースを選んだわけは……。
福島のレースを選んだのは、4歳以上の平地未勝利馬は、東京、中山、京都、阪神の4大競馬場には出走できないというレギュレーションがあるからだ。
今年開設100周年を迎え、メモリアルブックを発行したり、100周年デザイン馬券を発売したりと、さまざまなイベントを仕掛けている福島競馬場にとっては、願ってもないビッグプレゼントとなった。
オジュウチョウサンの障害でのとてつもない強さに関しては以前にも書いたとおりで、現在、障害重賞9連勝、J・GI5連勝中。2年間負けていない。
平地では2戦している。1戦目は、デビュー戦となった2013年10月19日の2歳新馬戦(東京芝1800m)。勝ち馬からコンマ8秒離された11着だった。2戦目は翌11月16日の未勝利戦(東京芝2000m)で、勝ち馬から1.8秒もの差をつけられた8着。どちらも出遅れて、後方のまま終わってしまった。