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調教師・藤沢和雄が偉業達成!
史上2人目の通算1400勝の足跡。
posted2018/07/06 11:30
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Takashi Shimizu
6月30日の福島競馬場第9レース。3歳以上、500万円以下クラスの郡山特別を勝ったのは、北村宏司騎手が騎乗したシンボリバーグ。
同馬を管理するのは、北村の師匠でもある藤沢和雄調教師だ。同師にとってこれがJRA通算1400回目となる先頭でのゴールとなった。
1951年北海道生まれの藤沢。実家は、天皇賞馬テンメイを生産した藤沢牧場。
藤沢は大学を出て青藍牧場で働いた後、イギリスへ渡り、競馬の聖地・ニューマーケットで働いた。
「自分の下手な英語を笑わずに聞いてくれるのは馬だけだった」
そう語る言葉からも分かるように、たいした娯楽も無いその街で、彼は馬と真摯に向き合った。その間、実に4年。
競馬の先進国であるイギリスでのこの時間が、彼を後の大調教師へと成長させることになる。
野平師のもとシンボリルドルフに携わる。
帰国した後、JRAへ。当時の日本の競馬界は先進国と比べると大きく後れをとっており、藤沢には驚きの連続だった。
「自分は先にヨーロッパの競馬を知ったので、日本の競馬で当たり前に行われていることに、多々、違和感を持つことになりました」
菊池一雄厩舎で調教助手をしていた時代には二冠馬カツトップエースに、ヨーロッパで知り合った野平祐二調教師に請われて彼の厩舎へ行った後は、三冠馬であり当時、最強馬と言われた皇帝・シンボリルドルフに携わった。
開業後の藤沢の実績を思えば、調教助手時代の彼が携わった馬が二冠や三冠を獲ったのも決して偶然ではなかったのだろう。