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打者・大谷翔平の復帰を急いだ理由。
エンゼルス打線で際立つ勝負強さ。 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2018/07/04 17:00

打者・大谷翔平の復帰を急いだ理由。エンゼルス打線で際立つ勝負強さ。<Number Web> photograph by Getty Images

大谷翔平がまずはバッターとして帰ってきた。あの雄大なホームランを何度でも見せて欲しい。

大谷以外に頼れる打者が数人しかいない。

 そもそもエンゼルス打線で「頼りになる」のは、マイク・トラウト外野手とアンドレルトン・シモンズ遊撃手とジャスティン・アップトン外野手ぐらいではないか。

 トラウトはこのままのペースなら40本塁打&40盗塁の可能性もあるシーズンを送っており、大谷の代わりに5番を打つことが多いシモンズはチーム最高打率を記録しながら、出塁率や長打率も自己ベストを更新する勢いで好調を維持している。アップトンは例年通りの成績を収めている。

 大谷と指名打者の座を共有してきた38歳のアルバート・プホルスの打撃は、過去数年の下降傾向が続いている。開幕ダッシュに成功したジェフリー・マルテ一塁手も、その後は例年通りに落ち着いた。

 ザック・コザート内野手は今季絶望となり、大谷と同じく5番や8番に入ることの多いカルフーン外野手は過去最悪級のシーズン前半を送っている。

 5番に入ることもあるルイス・バルブエナ内野手は期待された長打力が衰えており、さらに大谷がメジャー初本塁打を打ちながらも、「サイレント・トリートメント=無視」された時に最初に抱きついた新戦力のベテラン、イアン・キンズラー内野手もキャリア最低級の成績に沈んでいる。

「打者・大谷」への期待度は極めて高い。

 プロ野球チームの使命はワイルドカード争いを含むペナントレースに勝つことであり、ア・リーグ東地区でレッドソックスとヤンキースの2強が飛び抜けて強く、エンゼルスと同じ同西地区でアストロズが前を走る現状では、2枚のワイルドカードは東地区の優勝争いに敗れたチームか、西地区の2位争いに勝ち残ったチームの争いになる。

 コザートの今季絶望でカンザスシティー・ロイヤルズのマイク・ムスタカス三塁手の獲得が話題になるほど現有戦力が乏しい今だからこそ、「何かをしなければならない」状況だ。

 メジャー1年目の新人に多くを期待するのは酷だが、エンゼルスは「使えるものは全部、使いたい」という状況に置かれてしまった。試合数の上ではシーズンの半分が終わった。首位アストロズに引き離され、2位マリナーズや3位アスレチックスの後塵を拝しているエンゼルスにとって、これは「非常事態」に近い。

 もはや(と言うよりはひとまず)、「投手・大谷」を忘れ、「打者・大谷」の復活に期待するしかない――。

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大谷翔平
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