【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER
W杯に湧く今が最大のチャンス。
サッカーが本当に根付く“企画”を!
text by
池田純Jun Ikeda
photograph byGetty Images
posted2018/07/02 07:00
今回のW杯でも日本代表戦後の渋谷に、多くのサポーターが集まった。
スポーツの未来を支えるのは子どもたち。
W杯は、サッカー人気を盤石にする最大のチャンスです。
スポーツの未来を支えるのは子どもたち。将来スポーツをするのは子どもたちですし、子どもがスポーツ観戦にいくためには保護者が必要です。
私が横浜DeNAベイスターズの社長をしていたころ、子どもにベイスターズをより身近に感じてもらいたいと願い、チームキャップを神奈川県の幼稚園・小学生のすべての子どもたちに配布しました。
同じように、例えばサッカーボールを今このタイミングで子どもたちに配れば、絶対にサッカーで遊ぶでしょう。子どものころに親しんだ遊びは、その後の人生にも大きな影響を及ぼします。
全世代を通して見ると、日本はまだ野球のほうが根強い人気を持っている印象を受けます。
報道されていないので影が薄くなっていますが、W杯の試合の有無とは関係なく、プロ野球は開催されています。私もW杯のグループリーグが始まってから、巨人対ヤクルトの試合を観戦にいきました。
スタジアムに入り、スタンドを見回してみるとほぼ満席。まだまだ野球には根強い支持があるのだな、と実感しました。
サッカー人気普及のためにできること。
J1リーグはW杯の期間中はお休みで、そのホームスタジアムも使用する機会が限られます。各チームは、サッカー人気普及のために様々なことが実行できるのではないでしょうか。
例えば、スタジアムを開放してサッカーで遊んでもらう。試合の録画映像をスタジアムビジョンで流しながら、家族にグラウンドを開放して、ゆったりと遊んでもらう。
この熱狂的な期間に、子どもを中心にサッカーをより身近に感じてもらえる施策を行うべきです。興行がないJリーグのチームには、時間があるはず。この期間に、サッカーの普及や人気向上のための事業に邁進しているクラブが多々あることと思います。