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クローゼが語るレバンドフスキの技。
「すべての能力を持つストライカー」
text by
アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge
photograph byGetty Images
posted2018/06/18 08:00
ダイレクトプレー、裏への抜け出し、ミドルシュート……。点取り屋としての能力をすべて兼ね備えたのがレバンドフスキだ。
「ザ・ボディ」のあだ名も理解できる。
レバンドフスキはポーランド代表においてキャプテンを務め、チームを引っ張るリーダーシップもある。アダム・ナバウカ監督は「レバンドフスキが相手を引きつけてプレーすることで、味方にチャンスを生み出している。たとえ得点がなかったとしても、チームに大きな貢献をしている」と全幅の信頼を寄せる。ポーランド代表の精神的な支柱だ。
「メンタルの強さも、特徴のひとつだ。レビーが試合中にミスをしたり、チャンスを外したりして、落ち込んでいるのを見たことがない。
その冷静なメンタルのベースにあるのが、コンディションの良さだろう。どの試合でもパワーとスピードをコンスタントに発揮している。ドルトムント時代、彼のマシーンのような体を見たチームメイトが『ザ・ボディ』というあだ名をつけたのも理解できる。
彼が食事にこだわっているのは有名な話だ。奥さんは世界大会で優勝した経験もある空手家で、食事についてかなりアドバイスしているそう。食べる順番がちょっと特殊で、まずケーキを食べて、続いてパスタ、肉、最後にサラダかスープを口にする。普通とは逆の順番だけど、彼のパフォーマンスを見たら間違いとは言えない。僕はやろうとは思わないけれどもね(笑)。
彼は怪我が少ない。FWは後ろから削られることが多く、防ぎようがない不運な負傷も起こりえる。にもかかわらず、怪我が少ないのは、やれることをすべてやっているからだと思う。彼のプレーに波がないのは偶然ではない」
クローゼとレバンドフスキの共通点。
前に触れたように、クローゼとレバンドフスキは共通点が多い。クローゼの父親はオセールなどでプレーしたサッカー選手、母親はハンドボールのポーランド代表選手だった。一方、レバンドフスキの父親は柔道の欧州王者で、母親はポーランドのバレーボールリーグでプレーしていた。つまり2人ともスポーツ一家で育った。
何よりストライカーとしてのプレースタイルが似ている。前者は182cm、後者は185cmと身長が飛び抜けて高くないのに、空中戦にとてつもなく強い。