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土屋征夫43歳、今も“J5”で現役。
「親子対決、真剣勝負で行くよ」
posted2018/06/07 10:30
text by
渡辺功Isao Watanabe
photograph by
Isao Watanabe
新しい1日は、早朝5時前にスタートする。
「だいたい起きるのが4時50分くらい。嫁さんがつくってくれた朝メシを食べて。5時半頃に、ヴェルディ時代から仲の良かった後輩の吉田正樹が迎えに来てくれるんで。その車に乗っけてもらって。練習が朝7時に始まるから、その前にはグラウンドに来て、身体を動かし始めている」
土屋征夫、43歳。
1997年ヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)にテスト入団してから21シーズン、計6つのチームでJ1・J2リーグ戦511試合に出場。“バウル”の愛称とスキンヘッドがトレードマークのディフェンダーはいま、カテゴリーとしては“J5”に相当する関東リーグ1部の東京23FCでプレーしている。
「都民の、都民による、都民のための」「世界に通用するフットボールクラブ」を目指して'03年に発足した東京23FCは、東京都社会人4部リーグからスタートして徐々にステップアップ。'13年に関東リーグ1部に昇格した。江戸川区陸上競技場をホームスタジアムとし、そこから800mほど葛西臨海公園寄りにある人工芝の球技場で、主に練習が行われている。
「だいたい8時半くらいに練習が終わって、それからほとんどの選手が仕事に行く。俺は自宅に帰って。子どものお迎えに行かされたりしてるよ(笑)」
「とにかく試合に飢えていたんだ」
自宅のある横浜から千葉県手前の江戸川区まで。東京を東西に毎日横断する生活が始まったキッカケは、去年の夏までさかのぼる。
当時J1のヴァンフォーレ甲府に在籍していた土屋は、ルヴァンカップで42歳9カ月10日のカップ戦最年長ゴールを決める活躍はあったものの、リーグ戦では出場機会のないシーズンを送っていた。
「とにかく試合に飢えていたんだ。そうしたら東京23FCの監督をしていた羽中田昌(現ブリオベッカ浦安監督)さんが『J1から関東リーグに来てもらうなんて、こちらとしたら夢みたいな話なんだけど。もし考えてみてくれたなら、うれしい』って、声を掛けてくれてね。それが始まり」