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土屋征夫43歳、今も“J5”で現役。
「親子対決、真剣勝負で行くよ」
text by
渡辺功Isao Watanabe
photograph byIsao Watanabe
posted2018/06/07 10:30
関東リーグ1部で今も現役を続ける土屋征夫。なお後ろにいるのは「デカモリシ」こと森島康仁だ。
デカモリシに痛恨の決勝点を許したが。
個の力で上回る栃木ウーヴァに対して、粘り強く戦っていた東京23FCだったが、0-0の均衡は思わぬ形で崩れた。74分、自陣で土屋がヘディングのバックパス。これが短くなってボールを奪われる。と、ここが起点になって森島にゴールを許したのだ。結局この1点が決勝点となり、東京23FCはリーグ戦2敗目を喫した。
「すっごい悔しかった。あれは俺のミス。でもね、それだけ悔しいってことは、まだサッカーがやりたいってことなんだろうね。俺なんか高校のサッカー部を1週間で辞めて。ブラジル行って。ヴェルディに拾ってもらって。それからずっとサッカーにしがみついてきたようなものだから。悔しくなれる。熱くなれる。何かの感情が生まれるってことは、サッカーを続けたいと思う要因のひとつだから。サッカー楽しいからね」
いまは1日1日を無駄にせず。
今年1年の終わりに、何かしらクラブとしての積み上げを残すことが使命だと感じている。自分がメディアに載ることで、東京23FCのことを知ってくれる人や、応援してくれる人が増えて欲しいと思っている。
「親子対決、やる以上は真剣勝負で」
将来的に興味があるのはコーチ業。大学生やユース年代の若い選手たちとコミュニケーションをとりながら、しっかりとしたディフェンスの技術を身に付けさせるような指導者が理想だ。
ヴェルディ時代から親交が深く、沖縄SVを最後に昨シーズン限りで現役を引退した飯尾一慶さんとタッグを組んで、攻・守それぞれのエキスパートで指導するサッカー教室の準備も始めている。
そうした今後のプランとは別に、ひとつ楽しみにしていることがある。大学でもサッカーを続けている長男・翔くんとの対決だ。
「この前サッカー部の練習を観に行ったら、コーチに元Jリーガーがいて。試合をしたこともある、昔から知っている人だったから。今度練習試合を組んでもらえないか、頼んでみたんだ。そうしたら、ぜひやりましょうよと言ってくれたんで。親子対決! 面白そうでしょ。普通じゃあり得ない話だから。やる以上は真剣勝負で行くよ」
土屋征夫43歳。そのサッカー人生には、暮れなずむ夕日の美しさがある。