スポーツ百珍BACK NUMBER
Jサポの間で毎週バズる漫画家って?
「怒られたらやめますけど(笑)」
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byJunsei Chida
posted2018/06/05 10:30
漫画家・千田純生さんが「J1序盤戦、印象に残った3つの出来事」を特別に書き下ろしてくれたぞ!
キャラが強いと僕とファンの心に刺さる。
――で、本題ですが、今回はこの序盤戦で記憶に残った3つの出来事を描いてもらえればと。
「トップ3で考えると1位は……組長(大槻暫定監督)なのかな。(長崎の)高田社長もいいですよね。 あとサポーターなのでマリノスを入れたいんですが、キーパーの飯倉選手のことを描けていないんですよね」
――確かに今年の飯倉選手、ものすごいポジショニングです。
「ゴールキーパーなのにヒートマップ(選手のポジショニングを示すマップ)がセンターラインに表示されるってどういうことだよ! って、サポーターでもツッコミたくなるようなポジショニングで(笑)、賛否両論あると思うんです。
確かに失点は多いんですが、得点をどんどん奪えるっていうのは、今までのマリノスではあり得なかった。サポーター目線なんですが、これだけ得点が入るチームになると、新規の人に『ゴールがいっぱい入るから、一緒に来てみない?』って誘いやすくなったなあと感じます」
――残り2人は選手ではなく……大槻暫定監督と高田社長ですね。特に“組長”は強烈でした。
「組長は漫画として、とにかく理想的、魅力的なキャラなんですよ(笑)。レッズサポーターの方は知っていたかもしれませんが、正直なところ全国的には無名の指導者でしたよね。それがテレビに最初に映ったシーンがあの……国民を震え上がらせる、オールバックと立ち振舞いだった。たった一夜で日本中のサッカーファンの話題になったのが、すごいと思って」
――やっぱり漫画だとキャラ設定、大事ですもんね。
「もちろんプロの世界なので、結果が出なかったらただのいじられキャラで終わってしまいます。でもちゃんと結果を残してオリヴェイラ監督にバトンをつないで、自らはひっそりヘッドコーチになる……。っていうのが、たまらなくカッコいいし、自然と描きたくなるんです。
キャラクターというところでは、高田社長も一緒です。すごく苦しんでた長崎を、“地元のクラブだから”と、どんどん強くしつつ地域貢献しようってあたりがカッコよくて。その中で高田社長もジャパネットさんも、うまくネタとして入れられていく。そういったわかりやすさがあるところが、きっと僕の心、そしてサポーターの皆さんにも刺さるんだと思います」