スポーツ百珍BACK NUMBER
Jサポの間で毎週バズる漫画家って?
「怒られたらやめますけど(笑)」
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byJunsei Chida
posted2018/06/05 10:30
漫画家・千田純生さんが「J1序盤戦、印象に残った3つの出来事」を特別に書き下ろしてくれたぞ!
Jリーグのイラストの反響が大きい!
――筋金入りのマリノスファンなんですね。サッカー歴は?
「小学校から高校までです。高校はなかなかヤンキーな高校で、入ったらすぐ先輩と監督がケンカして退部して、僕ら1年生と先輩1人の11人だけになってしまった。しかも『えっ、選手権予選ってもう始まってんの!?』ってくらいの意識の低さで、3年間で1度も勝てなかった(笑)。ほぼサークルみたいな部活でした」
――ゆ、ゆるい環境ですね。
「その時期が、漫画家としての原点でした。超弱小だったからすぐ負けて、週末に公式戦がないんです。じゃあ練習しろ、って話なんですけど、練習試合どころかトレーニングもあんまりなかった。
で、その頃出会った『スラムダンク』が好きで“こういう絵を描いてみたいなあ”と、ちょこちょこ描くようになったんです。まぁバスケなんですけど(笑)。高校時代はあまりサッカーを見ていなかったかなあ」
――じゃあJリーグへの熱が再燃したきっかけは?
「ここ4、5年のことで、スタジアムに通うようになってからです。僕は2000年に上京して漫画アシスタントになったんですが、文字通り死ぬほど忙しくて、日韓W杯すら見に行くヒマがなかったんです。せっかく東京に来たっていうのに(苦笑)。漫画家としてそういった生活が続いていて、見るとしてもテレビのサッカー中継でした。
だけど『フィールドの花子さん』の連載が終わってから、ちょっと余裕を持とうと思って、マリノスの試合に通うようになった。そこで知り合いもできて、ゴール裏の魅力とかを発見できたりしているうちに、年間10試合くらい現地観戦するようになりました。最近はゴール裏で話していると『ええっ! あの千田先生なんですか!!』ってリアクションしてくれるサポーターの方も増えてきました」
――そこでサッカー熱が再び高まったと思うんですけど、なぜツイッターで発信するようになったのでしょう?
「以前からツイッターを使ってはいたんですが、それこそ言葉をつぶやくだけでした。でも2010年W杯で組み合わせが決まった時、何の気なしにイラストをアップしてみると、いつもより反応がよかったんです。なので『これって日本代表やJリーグでもそうなのかな?』と思って描いてみました」
――実際やってみて、どんな感触がありましたか?
「すると日本代表のメンバー発表はもちろんですが、それ以上にJリーグの反応が抜群に良かった。それもあって今シーズンから毎節プレビューを描くことにしたんです」