JリーグPRESSBACK NUMBER
過密日程はデメリットだけじゃない。
アルビレックスが得た膨大な経験値。
text by
大中祐二Yuji Onaka
photograph byGetty Images
posted2018/06/03 09:00
1年でのJ1復帰へ向けリーグ戦の順位は順調とは言いがたいが、選手たちの手応えは決して悪くない。
ベテランと若手の雰囲気も良好?
グループステージ第2節、味の素スタジアムで行われたFC東京戦でのことだ。スタンドから試合を観戦するメンバー外のベテランMF小川佳純、DF安田理大の姿があった。
途中出場の久保建英にトップ初ゴールを決められ、0-1で敗れた平日ナイターのこの試合から、チームは中2日でアウェイのリーグ第4節・横浜FC戦に臨むことになっていた。
そのため翌日、翌々日のトレーニングは横浜市内で行われ、リーグ戦メンバーはFC東京戦翌日、15時からのトレーニングに向けて集合することになっていた。
ADVERTISEMENT
“いずれ関東に移動するわけだから”というのが小川、安田のFC東京戦を現地観戦した理由だ。そして小川の「うまさ、経験ということでいえば、リーグ戦のメンバーが上回るかもしれない。でも局面で戦う、あきらめない、運動量を惜しまずハードワークするという点では、ルヴァンカップのメンバーの方が上」という感想と同様の思いを、安田も抱いている。
この3カ月、ルヴァンカップとリーグで分裂することなく、時に交わりながらチーム作りは進んだ。それは、湯の中を浮沈しながらうまみがにじみ出る茶葉の対流を思わせる。
今シーズンの新潟は、どのような味わいのチームへと成熟するか。味が深みを増せば、それだけシーズン序盤の過密日程は、連戦以上の意味を持ってくる。