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“トンガのゴジラ”サウマキが無双。
サンウルブズ初勝利を呼ぶ3トライ。
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph byKiichi Matsumoto
posted2018/05/15 11:45
力強い突進でトライを量産したホセア・サウマキ。サンウルブズの今季国内最終戦の主役になった。
スーパーラグビーで100%通用する。
9人兄妹の3男としてトンガに生まれたサウマキは、トンガのU18、U20代表にも選ばれた逸材だったが、2013年に元日本代表のラトゥ・ウイリアム・志南利さんらの熱心な誘いで来日、大東大へ入学した。
身長190cm、体重100kg超のフィニッシャーは、国内で“無双状態”だった。
大学2年時には関東大学リーグ戦の全7試合でトライを奪い、3年時は春季大会の青山学院大学戦で1試合8トライを記録したことも。4年時は14トライで関東大学リーグ戦のトライ王にもなった。
昨年加入のキヤノンでもトップリーグ2位タイの10トライを挙げるなど、もはやトライゲッターとしての能力を疑う余地はなくなったが、しかしこれらは日本国内でのこと。だから、こんな疑問を呈することもできた。
サウマキの“無双”は国内に限ったことなのでは?
しかし、2013年にハイランダーズで日本人初のスーパーラグビー選手になった田中史朗は確信していた。
「彼はスーパーラグビーで100%通用します」
海外メディアは「Tongan Godzilla」。
杞憂だった。スーパーラグビー初挑戦となったサウマキは、今季開幕戦のブランビーズ戦でいきなり2トライを記録し、公式の週間ベスト15に選出された。そしてライオンズ戦、チーフス戦でも圧巻の独走トライを決めるなど、第13節終了時点でチーム最多、リーグ5位タイの7トライをマークしている。
海外メディアはすでに「Tongan Godzilla」のニックネームで怪物ぶりを賞賛している。
サウマキがワールドクラスであることが証明された今、やはり期待されるのは日本代表入り。
2016年に一度は代表入りを果たしたサウマキだが、来日前の2012年に7人制トンガ代表での出場記録があり選考外になっている。ワールドラグビーの規定では、ある国・地域の代表になった選手は原則として他の国・地域の代表にはなれない。