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サンウルブズを3カ月半追いかけて。
スーパーラグビー初勝利は必然だった。
posted2018/05/17 11:30
text by
近藤篤Atsushi Kondo
photograph by
Atsushi Kondo
今シーズン、僕は別府で始まったプレシーズンの初日に行われるチームミーティングから、サンウルブズを追うという幸運を与えられた。
ラグビーというのはものすごく「仲間」という感覚を尊ぶ世界だ。そのチームミーティングでチーム全員の前で紹介してもらった日から、ある日突然現れたカメラマンは、彼らとともに行動するという自由を与えられた。
通常は試合前日に行われる夜のレクリエーションタイムにも、試合当日の朝に行われるミーティングにも、試合後のロッカールームにも、その場に居合わせることを許された。
ここまで唯一立ち入らせてもらえないのは、試合前のロッカールームだが、ここは一種の聖域なのでシーズン終了まで入れることはないと思う。
そのミーティングからおよそ3カ月半、サンウルブズの面々は近くで見ている側が吐きたくなるようなトレーニングを積み重ね、毎週毎週本当に細かい部分を修正しながら、限られた戦力と財力の中で懸命に戦ってきた。
負けるたびに伝わってきた「やっぱりな」。
しかし、レッズ戦までの9試合、サンウルブズは負け続けた。初戦のブランビーズ戦で25-32の接戦を演じ、今季のチームへの期待感は高まったものの、その後はいい試合を演じては負け、悪い試合を演じては負けた。
そして負けるたび、チームに対しての、やっぱりな、という雰囲気がひしひしと伝わってきた。
それでも、これは身びいきでもなんでもなく、チームは歩み続けてきた。HCであるジェイミー・ジョセフも、コーチのトニー・ブラウンも、様々な言葉を絞り出して、選手たちの心を鼓舞していた。
そして選手たち自身も決して投げ出すことも諦めることもなく、与えられたタスクを最大値でこなしていった。