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“トンガのゴジラ”サウマキが無双。
サンウルブズ初勝利を呼ぶ3トライ。
posted2018/05/15 11:45
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph by
Kiichi Matsumoto
日本流の礼儀が染みついている。来日6年目の26歳は、試合後の共同インタビューを終えると、ふとももに両手を添えた。明瞭な日本語で「ありがとうございました」と報道陣へ軽く一礼する。猛々しい突進でサンウルブズの今季初勝利に貢献したホセア・サウマキ(キヤノン)が、普段の好青年に戻っていた。
2015年ラグビーW杯のベスト4(ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチン)の強豪クラブが相手となるスーパーラグビーで、開幕9連敗中だった日本チーム・サンウルブズが長いトンネルを抜けた。
5月12日、東京・秩父宮ラグビー場で行われた今季国内最終戦のレッズ戦で、サンウルブズは63-28の大量得点で今季初勝利を挙げた。
63得点はリーグ参入3年目で過去最多。サウマキはキッカーであるヘイデン・パーカーの36得点に次ぐ15得点を叩き出した。
「これがホームのラストゲームということはよく分かっていたので、サンウルブズのファンのために全力をぶつけたいと思っていました」
オーストラリア代表からも賛辞が。
15得点は後半14分、38分、41分に挙げた3トライによるもの。トライ後には手を受話器にして天を仰ぐ、おなじみの「電話パフォーマンス」も飛び出した。電話の相手は、大東文化大学2年の時に他界した元トンガ代表の父アマナキさんら、大切な家族だ。
自身も「ゲームプランを貫くことができた」と納得の快勝劇。レッズの主力で現役オーストラリア代表のサム・ケレビも「ブラインド・ウイング(11番/サウマキ)は光っていた」と認める活躍だった。