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ヴィクトリアマイルは騎手の腕が肝。
3週間ぶりにGIに復帰する武豊は?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2018/05/12 09:00
リスグラシューは大人しい馬で、花もよく似合う。初戴冠なるか。
2018年のGIを2勝した騎手はまだいない。
18頭中16番枠を引いた。アルテミスステークスを勝ったときと同じだ。揉まれずに脚を溜めることのできる好枠と言えよう。
武にとって、'09年ウオッカ以来となる2度目のヴィクトリアマイル制覇は、かなり現実味を帯びてきた。
今年これまで行われた平地GI7戦では、すべて異なる騎手が勝利をおさめている。
その点からしても、今回は武の順番のような気がする。
◎リスグラシュー
○ミスパンテール
▲アエロリット
△アドマイヤリード
×レッツゴードンキ
注ソウルスターリング
重賞3連勝でここに来たミスパンテールの横山典弘も今年はGI未勝利だ。自身の手綱で昨年のNHKマイルカップを勝ったアエロリットではなく、こちらを選んだのだから、いいものを感じているのだろう。
引いたのは内の2番枠。どこからでも競馬ができる器用さがあるので、ロスなく進めるぶん、陣営としては歓迎ではないか。
デリケートな牝馬GIは騎手の力も大きい。
印をつけたその他の4頭の騎手はみな、今年すでにGIを勝っている。
なかでも、ストレイトガールで'15年と'16年にここを連覇した戸崎圭太が乗るアエロリットに可能性を感じる。東京芝コースでは3戦2勝、2着1回とパーフェクト。繊細な気性を考慮して、本番までひと追いだけで済む木曜追いを選択し、管理する菊沢隆徳調教師が自ら騎乗するなどぬかりはない。初騎乗でGI3勝を挙げている「GI請負人」戸崎が、また「さすが」と言わせるか。
ヴィクトリアマイルは、過去12回で連覇した馬が2頭出たり、複数年にわたって上位に来る馬が出やすいレースなので、昨年の覇者アドマイヤリードも押さえておきたい。先週のNHKマイルカップではギベオンで首差2着と悔しい思いをしたミルコ・デムーロが、思い切った乗り方をしてきそうだ。
デリケートな牝馬のGIだけに、一流騎手同士の腕比べも大きな見どころになるだろう。