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嶺井の台頭で戸柱恭孝の立場は?
DeNAは捕手で流れを変える。 

text by

石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byKyodo News

posted2018/04/30 08:00

嶺井の台頭で戸柱恭孝の立場は?DeNAは捕手で流れを変える。<Number Web> photograph by Kyodo News

戸柱恭孝はラミレス監督の就任1年目の2016年の開幕戦で、セ・リーグでは巨人・阿部慎之助以来となるルーキーでスタメンマスクをかぶった。

外から野球を見て気づいたこと。

 ゲーム前は光山英和バッテリーコーチを中心に、キャッチャー陣はピッチャーとミーティングを行い密な意思疎通をし、情報を共有する。戸柱は個人的にも味方や相手チームのデータを徹底的に検証し、映像もしっかり見て研究を行う。

 ゲームに入れば控えであっても、気づいたことがあれば嶺井に話しかけアドバイスをする。出場していなくても、チームに貢献できることは数多くあると戸柱は言う。

「2年目まではスタメンで使ってもらっていましたが、現状そうではないことは理解しています。ただ自分としてはこれをチャンスに外から野球をしっかり見たいと思っています。そういう意味では以前よりも“準備”ができていると思っています」

 外から野球を見ることで気づく点はどこなのだろうか?

「ボールを受けているときとベンチで見ているのではバッターの反応が違うことが良くわかります。通用するボールとそうじゃないボールが異なっている。そういう意味ではもっと客観的に野球を見なければいけないし、そこを自分のプラスにできたらと思っています」

「人の意見を聞くこと、柔軟な考えを持つこと」

 戸柱は昨シーズンの反省として「考え過ぎて頑固になってしまう。意地を張って自分の考えを貫き通した結果、マイナスの方向に働いてしまうことがあった」と語っている。

「ですから人の意見を聞くこと。柔軟な考えを持つことが大事だと思っています。とにかく根気強くやっていきたいですね。たぶんチームがガタガタっと来たとき、自分の出番が来ると思いますし、苦しいときこそ大きな声を出していきたい」

 チームが連敗していた26日の広島戦、戸柱は10試合ぶりにスタメンでマスクをかぶることになった。ルーキーの東克樹とバッテリーを組み、好調の広島打線と対峙した。初回こそ外角一辺倒のリードで5安打を集中され3失点と苦しんだが、2回以降はストレートを中心に押し込んでいき11奪三振でゲームを作ることができた。

 しかしながら9回表、リリーフの山﨑康晃がエルドレッドに被弾し、勝利を手繰り寄せることはできなかった。

【次ページ】 チームの中に“心の師”がいる。

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