猛牛のささやきBACK NUMBER
好調のオリ伏見寅威は何を変えた?
「ナカジさんの影響がでかいです」
posted2018/04/20 07:30
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Kyodo News
考え方を変えれば、道は開ける。
それを体現しようとしている選手がいる。オリックスの捕手、伏見寅威だ。
オリックスは4月17日現在、4勝10敗の5位。特に打線がふるわず、チーム打率は.214と12球団で最も低い。先発が試合を作っても打線が援護できない展開が続き、一時は5連敗で最下位に転落した。
そんな中、なんとかチームを踏みとどまらせたのが伏見だった。
4月11日の東北楽天戦は、新加入のアンドリュー・アルバースが先発し5回2失点と好投するが、この日も打線が援護できず、1-2のまま9回裏2アウト、6連敗まであと1アウトと追い込まれていた。
ここで、代打として登場した伏見がレフト線へ二塁打を放ち、二塁ランナーのステフェン・ロメロがホームに還り、土壇場で2-2の同点に追いついた。
勝ち越すことはできず試合は引き分けに終わったが、ズルズルと沈みかけたチームに歯止めをかける一打は、“粘り強く戦う”という意思表示となり、翌日のサヨナラ勝ちにもつながった。
苦しい状況でヒットを放ち、流れを作る。
6番一塁で先発した15日の北海道日本ハム戦では、先制の口火を切った。この日も、先発の山岡泰輔が再三のピンチをしのいで無失点に抑えていたが、打線は日本ハムの先発・加藤貴之の前に4回までわずか1安打に封じられていた。
またも山岡を見殺しにしかねない展開。しかし5回、伏見がライト前ヒットで重苦しい空気を振り払うと、不振だったクリス・マレーロがつなぎ、若月健矢のヒットで伏見が先制のホームを踏んだ。勢いのついた打線は6、8回にも得点を重ね7-0で快勝。11日ぶりに先発投手に勝ちがついた。