球道雑記BACK NUMBER
ロッテ井口監督「真っ直ぐが大事」。
悩める益田直也に強気は戻るか。
posted2018/04/20 11:00
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph by
Kyodo News
生半可な覚悟でないことは、この言葉からも伝わって来た。
「今年は僕だけじゃなく(自主トレに参加した)みんなが、怪我しながらも休まずに自主トレを続けました。自主トレって本来、無理をするような時期でもないんですけど、ここでひとつをやり遂げないと、新しい1年に入れないというか、僕もそうですけど、そこに参加するみんなが同じ気持ちでやっていたと思います」
2018年1月、千葉県館山市。
千葉ロッテ・益田直也は、チームメイトの内竜也、涌井秀章らと共に過ごした今春の自主トレについてそう振り返った。
このオフは怪我することを恐れずに、極限まで自分を追い込んだ。キャンプ第2クールでは左膝の炎症を起こしたほどだ。
なぜ、シーズン開幕を前にそれほどまで自分を追い込まなければいけなかったのか。
「野球をやっている感じがしない1年」
彼はプロ入り後、初めて味わった昨年の苦い経験を思い出すように話を続けた。
54勝87敗2分、勝率.383、借金33、パ・リーグ最下位。
開幕からシーズン終了まで一度もAクラスに浮上できなかった。昨年の屈辱は、千葉ロッテの投手陣全員が感じている。
「もちろん悔しかったですし、野球をやっている感じがしない。そんな1年をプロに入って初めて過ごしました。自分は偉そうなことを言える(ドラフトの)順位で入ってもいないですけど、これまで残した実績の中で、最も悔しい1年になりました。何もしていない、何も残っていない。そんな気がしています」
益田自身もプロ入り後、5年間続けた年間50試合以上登板が6年目にして途切れた。
38試合0勝4敗9セーブ。防御率は5.09。
5月、8月と2度にわたって二軍降格を言い渡されるなど、メンタル面で落ち込む期間が長かった。