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連勝を止めた湿度27%と中指のマメ。
大谷翔平の投球はなぜ崩れたか?
posted2018/04/18 17:30
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Getty Images
開幕から投打二刀流の活躍で全米に旋風を巻き起こしているロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手が現地時間4月17日(日本時間同18日)のボストン・レッドソックス戦に3度目の先発登板をした。
この日の大谷は制球が定まらず初回にいきなり先頭打者本塁打を浴びると、2回には2安打2四球で2失点。右手中指のマメを潰すアクシデントもあり2回66球、被安打4の3失点でメジャー初黒星を喫した。
悪戦苦闘した。
湿度27%。この日のアナハイムは空気が乾燥し、その中で大谷は何度も丸めた手のひらに息を吹きかけ、指先を湿らせる仕草を見せていたが、その効果もほとんどなかった。
初回に1番打者のムーキー・ベッツ外野手に浴びた先頭打者ホーマー。この打席の投球内容が、この日の大谷の苦闘を象徴していた。
初球は150キロのフォーシーム。しかしこれが指にしっかりとかからず、抜け気味に高めに外れる。そこからファウル2つで追い込んだが、この日は前回のアスレチックス戦で面白いように決まったスプリットが制御できなかった。
指にかかりすぎて、ワンバウンドを連発。苦し紛れにストレートでストライクを取りに行った7球目、真ん中低めの155キロを左中間へと運ばれてしまった。
7回までの好投で潰れた中指のマメ。
この回は3番のハンリー・ラミレス内野手にも中前安打されて、続くJDマルチネス外野手の5球目はスライダーを叩きつけてワンバウンドの暴投と、信じられないようなミスも飛び出した。
それでも最後はマルチネスを外角へのスライダーで空振り三振に、続くラファエル・デバース内野手を三邪飛に打ち取って何とか1失点で切り抜けた。
苦闘の理由は明らかだった。
右手中指のマメが潰れた影響だった。
「前回の登板が終わってちょっとあった。自分ではいけるという感じだったけど、思った以上に良くなかった」
4月8日のアスレチックス戦で7回途中まで完全ペースのピッチングを見せたが、その試合で中指のマメを潰していた。