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中邑真輔まさかの敗北&ヒール転向!!
大騒動になったWWEタイトル戦速報。
posted2018/04/09 17:00
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by
(C)2018 WWE, Inc. All Rights Reserved.
3カウントが入った瞬間、7万8133人の大観衆から、歓声とどよめきとため息が入り混じった叫び声があがった。
まさかの結末とはこのことだろう。
現地時間の4月8日、アメリカ・ルイジアナ州ニューオリンズ、メルセデスベンツ・スーパードームで行われた、世界最大のプロレス団体WWEの年間最大のイベント「レッスルマニア34」で、中邑真輔が王者AJスタイルズの持つWWE世界王座に挑戦。
ここで中邑は、2年前の新日本プロレス1.4東京ドームでの同一カードの激闘を再現したような名勝負を展開した上で、日本人として史上初めてWWE王座を奪取。場内はスタンディングオベーションに包まれる――。
多くの人が戦前抱いたであろう、そんな予想と願望は、大きく裏切られる結果となった。
日米共に新王者誕生の機運に満ち満ちていた。
新王者誕生への期待感は試合前、最高潮に膨らんでいた。
中邑は2年前、新日本プロレスを退団し、鳴り物入りでWWEに参戦。まず、セカンドブランドであるNXTでデビューすると、いきなり人気が爆発し、4カ月後にはNXT王座を奪取。入団1年後の昨年4月4日にWWEメインロースターに昇格後は、年間を通じてメインイベントクラスで闘い続け、WWEタイトル戦も経験した。
そして今年1月、WWEのトップ30人が参加した「ロイヤルランブル」で見事に優勝。WWEデビューわずか2年にして、祭典「レッスルマニア」でのWWE王座挑戦という最高のかたちを、自らの手でたぐり寄せた。
この順風満帆すぎると思うほどのスピード出世は、実力もさることながら、ファンの支持、後押しなしでは、ありえなかったこと。
中邑が“WWEユニバース(ファン)”たちを、そのカリスマ性で魅了してきた証でもある。
「レッスルマニア34」のイベント開始前には、AJvs.中邑を待ちきれない観客たちが、他の試合そっちのけで「エージェー、スタイルーズ!」「ナーカームーラー!」とコールを始める光景も見られた。