U-21代表は関西空港で一気に撮影。

　ただし、撮影スタッフがクラブハウスやキャンプ地を訪れても、選手がそこにいないケースもある。

　例えば、年代別代表の海外遠征に参加している選手たちだ。今年のプレシーズン期間には、U-21代表が中国でのU-23アジア選手権に参加していた。グループリーグの後はトーナメント戦となるため、いつ敗退し、選手がどのタイミングで所属クラブに合流するかは事前にわからない。

　そこでスタッフが採った手段が、空港での撮影だった。事前に各クラブからU-21代表選手のユニフォームを借り受け、準備を整えた。1月19日の準々決勝で日本は敗れ、翌日に帰国することが決定。関西空港の団体控え室にスペースを借り、帰国したばかりの選手たちにポーズを取ってもらった。

開幕直前、名古屋に新戦力が加わり……。

　全クラブのキャンプ地やクラブハウスを巡り、代表選手の映像も無事に撮り終えた。編集作業も順調に進み、あとは2月23日の開幕を待つばかり。と、思っていた矢先の2月14日、名古屋グランパスから1通のプレスリリースが届いた。

「ウィリアン・ホーシャ選手、期限付き移籍加入のお知らせ」

　さらに、開幕戦中継の事前取材を行なっていた名古屋の現地スタッフから、こんな情報も届いた。

「名古屋U-18所属の2種登録選手、17歳の菅原由勢がトップチームの主力組で練習しています。どうやら開幕戦もスタメンで出そうです」

　慌てて2選手の追加撮影の準備を整えた。なんとか撮影を終えたのが、2月22日。24日の名古屋の開幕戦前日に、制作担当会社に編集までを終えたグラフィックを納品した。

　開幕戦当日、Jリーグデジタルのスタッフたちは固唾を飲んでスタメン紹介が始まった中継映像を見つめた。

「ひとまず無事に流れて、ほっとしましたね」（前田氏）

「流れたすぐ後に制作スタッフの方からメールが来て、みんなで喜んでました」（石川氏）

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