JリーグPRESSBACK NUMBER
鹿島の「前半病」に解決策はあるか。
ACLグループ突破だが、課題も明白。
posted2018/04/04 11:45
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph by
Getty Images
今季のACLは初戦を引き分けたもののその後2連勝し、好スタートを切った鹿島。
しかし3月13日、あと1勝すればグループリーグ突破が決まるホームでのシドニー戦を1-1と引き分けた。リーグ戦でも2勝2分1敗の7位となかなか調子が上がってこない。
そんななかACL第5節、4月3日上海申花とのアウェイ戦に挑んだ。勝ち点1で決勝トーナメント進出が決まるが、開始早々から上海申花に押し込まれる時間帯が続く。
ADVERTISEMENT
上海虹口足球場はほぼ満員の観客で埋まり、両ゴール裏、バックスタンドで別々のコールを上げるサポーターの声がやかましく響いていた。2万人あまりの観衆だがその声は大きい。上海はとにかく勝利するしか突破の道がないのだ。
「前半は上海のアグレッシブな姿勢とスタジアムの雰囲気に押されてしまった」と大岩剛監督が振り返る。
2つの失点はセットプレーから。
上海申花の攻撃の軸はキャプテンを務めるコロンビア代表のジョヴァンニ・モレノ。2月カシマスタジアムでの試合でもゴールを許している。長身ながら足元が巧みで、テンポよくパスを繋ぐ。長いリーチを生かしてボールをキープし、鹿島の選手が寄せるとヒールパスで味方へボールを送った。
「ボランチが行くのか、センターバックが行くのか、サイドバックが行くのか、そのあたりがあいまいだった」と先発した犬飼智也は語る。そして、13分その犬飼が与えたファールでPKを得た上海申花が先制点。28分にもCKから追加点を許している。
「ホームでの試合でもセットプレーから失点していたので、今日はそこを改善しようと言って試合に入ったのに2失点もやられてしまった。試合の入り方が悪いのはリーグ戦での課題でもあるし、今日もそこがダメだった」と植田直通がいう。
「前半の出来は最近のうちを表していた。やっぱりあの前半の内容は絶対に変えなくちゃいけない。前半はセットプレー2発でやられているから。ゼロで終われたら2-0で勝てたわけだし。やっぱり前半のプレーは最近の課題だなっていうのを改めて、今日の試合で感じました」と鈴木優磨も話した。