ソーシア監督「環境にも慣れて、準備は整っている」

　オープン戦では11試合32打数でわずか4安打、打率1割2分5厘とメジャーの壁に苦しんだ。地元メディアの間でもマイナー調整を勧める論評が飛び交ったが、マイク・ソーシア監督の決断に揺るぎはない。先発オーダーに名前が書き込まれた。

「（大谷の先発起用は）投手とのマッチアップを考えたが、ラインアップを見ていい感じだと思った。本人も凄くエキサイティングで楽しみにしていたのではないか。彼には日本でやってきた過程があるし、闘争心に満ちている。環境にも慣れてきたし、準備は整っていると思う」

　試合前にそう語っていた指揮官の期待に一発で結果を示すことになった。

徹底した内角攻めには手を焼くことになりそう。

　そうして華々しいデビューを飾った開幕戦だったが、その一方でいくつか見えてきたこともある。

　オープン戦から指摘されてきたが、改めて相手バッテリーの徹底した内角攻めには今後も手を焼くことになりそうだ。

　最初の3打席目まででアスレチックス投手陣が投じた全8球のうち、インコースのボールが6球。バッテリーが大谷対策として内角を軸に配球を組み立ててきていることは明白だった。

　しかもその内角攻めが大谷の打撃に少なからず影響を与えている。それが見えるのが第3打席の内容だった。

　この打席は左腕のブクター相手に、初球はインコースへの146キロのフォーシームをファウル。2球目の132キロのカーブには上体を起こされながら、何とかバットに当ててファウルと2球で追い込まれた。その後、インコースのボール球を挟んで、初めて外寄りにフォーシームがきたがこれを捉えきれずにファウルに。そうして最後の外角に逃げる130キロのカーブには、泳がされ引っかけた一ゴロに倒れている。

　それともうひとつ、目についたのが打球に角度がつかないことだ。

【次ページ】　実戦となると、まだ対応不十分なところも。