プロ野球亭日乗BACK NUMBER
大谷翔平の体が反応したMLB1球目。
初安打と4つの凡退に、明るい表情。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byAP/AFLO
posted2018/03/30 12:00
大谷翔平のメジャーデビューはまず打者として……まだ課題は多いが、開幕試合で早速出した結果に喜びたい。
実戦となると、まだ対応不十分なところも。
初安打に続く第2打席ではグレーブマンの2球目の150キロのやや中に入った内角シンカーを打って二塁左へのゴロ。
第3打席の一ゴロに、第4打席も右腕・トライネンの初球、156キロのストレートを引っ張って二塁へのゴロに倒れた。
試合前の打撃練習ではピッチャー有利と言われる広いオークランド・コロシアムの外野3階席まで運ぶなど、ズバ抜けた飛距離にスタンドのファンから大喝采を浴びた。
ところが実戦が始まると、テンポの早いメジャーの投手のモーションや動くボールへの対応がまだまだ不十分なのか、まったく打球に角度がつかずゴロを連発してしまう。
延長戦の末に逆転負けしたが……。
開幕直前に日本時代の右足を大きくあげるフォームから、チームの主砲・プホルスを参考に右足を絞るように小さくタイミングをとる形に修正する突貫工事を行なったが、その効果もまだまだ結果を残すまでには至っていない。
たった1試合だが、本当のメジャーの戦いを経験したことで、新たに修正していかなければならない課題もまた見えてきたはずである。
延長11回に回ってきた第5打席では右腕・ハッチャーの前に初三振も喫して、試合も延長戦の末の逆転負け。それでも晴れ姿を見届けるために、駆けつけた両親の目の前で飾ったデビュー戦に、試合後の大谷の表情は輝いていた。