プロ野球亭日乗BACK NUMBER
6回3安打3失点。大谷翔平が
初被弾後に見せた「クオリティ」。
posted2018/04/02 12:05
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Getty Images
二刀流でメジャーに挑戦しているロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手は、現地時間4月1日(日本時間同2日)のオークランド・アスレチックス戦に先発して初白星をあげた。
2回に3ランを浴びたものの、その他の回はノーヒットに抑える好投。6回を投げて3安打3失点1四球6奪三振のクオリティースタートを達成して勝ち投手となった。
一塁ベンチ上のエンゼルスファンからスタンディング・オベーションで迎えられた。
6回2死から最後の打者となったアスレチックスの4番・デービスをスプリットの連投でショートフライに打ちとった。1点のリードを守って責任回数の6回を投げ切った。マウンドを降りてナインのハイタッチを受けながらベンチに戻ると、スタンドのファンからも祝福の嵐が降り注いだ。
開幕戦では野手として先発し、メジャー初安打を記録。それから3日後の第4戦で先発マウンドに上がって、いよいよメジャーでの本格的な二刀流挑戦がスタートする。
「やっぱり勝ちたいな、と。ただそれだけでした。別に初登板だからとかそういうんじゃなくて、この試合をしっかり勝って次のカードに行きたいという気持ちでした」
初マウンドに上がる気持ちを大谷はこう語った。変なリキみも気負いもない。ただ、いつも通りに勝利だけを目指して打者へと向かっていった。
1番バッターを、メジャー最初の三振に。
立ち上がりは上々だ。
アスレチックスの1番・シミエンを相手に記念すべき第1球は、内角寄りやや高めに154キロのフォーシームを投げ込んだ。
これであっさりストライクをとると、2球目のスライダーで空振りを奪って追い込む。
ボール1つを挟んで、4球目は141キロの高速フォークだ。外角低めにきれいに落ちたボールにシミエンのバットがクルッと回って、メジャー最初の奪三振を奪った。